東京新聞杯は一見格下に見えるタイプの馬でも好走しうるレース。登場頻度は多くないが前走で準オープンを走っていた馬でも、そのまま通用することは多く、オープン特別組の成績は重賞組と比べても遜色ない。収得賞金による別定条件なので斤量差がつきやすいことも、その背景にはあり(安田記念馬ショウワモダンが出走した際は60キロを背負った)、過去の実績はむしろ足かせになりかねない。

 最近の勢いがあり、その一方で収得賞金がまだ蓄積していない馬のほうがよいということである。ただ、収得賞金3000万円超過馬は超過額2000万円ごと1キロ増という条件なので、3000万円までの範囲ならば気にする必要はない。

 収得賞金が少ない一方で有力だろうということで◎はグランシルクにする。収得賞金1950万円という立場だが、京成杯AHではタイム差なしの4着。同じ東京コースの富士Sでも0.4秒差の6着と、それなりには走っている。成績だけを見ると東京よりは中山に向く馬と見えてしまうが、脚質を考えると東京のほうが本当は良いのではというのが私の見立てだ。前述した富士Sにしても、ダノンプラチナ、サトノアラジン、ロゴタイプなど強いメンバー相手の競馬で、今回のほうが相手関係は楽だ。

 ○にダイワリベラル。準オープン→オープン特別を連勝しての参戦だ。プラス20キロで出走した市川Sではパドックで明らかに太いと思ったのだが、結果は1着。さらに馬体重をプラスしたニューイヤーSでも勝ってしまった。これは私の見る目のほうがおかしくて、馬が充実してきたのだと認めるしかない。重賞はセントライト記念(7着)以来となるが、相手なりに走るタイプだけに、自身が充実した今ならば、いきなり勝ち負けになってもおかしくはないだろう。

 勢いがあるということでは▲ダッシングブレイズも有望な1頭だ。1000万条件からの3連勝は、いずれも33秒台前半・レースの上がり最速を繰り出してのもの。鮮烈な決め手を持っている。それでも◎○にしなかったのは、ここ3走が、すべて前半のほうが掛かっている競馬だったため。特に前走・リゲルSは前半48.5秒→後半45.6秒という極端な構図だった。いわば「スロー得意の追い込み馬」というところで、その形になれば強いのだが、もし前傾ラップになった場合は、やや心配だ。

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