日曜京都のメイン、京都記念は名牝が出走することで知られるGⅡ戦だ。多くは年初の出発レースとしての参戦で、ここ10年を振り返ってもウオッカ、カワカミプリンセス、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、ハープスターといったGⅠホースが出走している。

 そんな伝統ある重賞に今年はタッチングスピーチが挑戦の構えだ。まだGⅠタイトルはないが、昨秋のローズSの勝ち馬である。秋華賞は6着、エリザベス女王杯は3着に敗れたが、ここへの参戦は陣営の期待の大きさがうかがえる。それもそのはず、昨秋のGⅠ2戦は内容が濃い戦い。秋華賞はトリッキーな京都の内回りコースに手を焼きながら勝ち馬から0秒3差で入線。女王杯は4角12番手からの猛追でタイム差なしの3着。ゴール前の伸びは一番の鋭さだった。レース後、ルメールも「いずれGⅠは勝てる馬」の高い評価を下していたほどだ。

 今年の初戦へ仕上げも順調だ。1月4日の坂路初時計のあと、20日に4F56秒8、27日に併走で4F53秒5。段階を追って攻めピッチが上がっている。馬体も昨秋時より後肢が強化され、前後のバランスもとれており、全体にしっかりした印象。レースまでに、あと2本追えるから態勢が整うハズ。外回りコースの2200メートルの舞台は女王杯と同じだ。牡馬相手でもいきなり狙ってみたい。強敵はサトノクラウン、ヤマカツエースあたりだが、出走してくればレーヴミストラルが一番の強敵になる。前走の日経新春杯は極上の切れ味だった。

 さて、東京競馬場では今週、土日に3歳の重賞が組まれている。まず土曜日のクイーンCには2歳女王のメジャーエンブレムが登場。完成度の差でV候補の筆頭だが、関西馬のサプルマインドはヒモ争いなら割って入ってもおかしくない好素材だ。デビュー戦は上がり3F32秒5で差し切り。一息入れた11月京都の500万特別は仕掛けが早めで3着に敗れたが、この中間は坂路、コースで活発な攻め気配。2週前には古馬オープンをアオるほどの動きだ。直線の長い東京コースは望むところ。女王にきわどく迫るシーンまで考えたい。

 日曜日の共同通信杯は関東馬が優勢。とりわけハートレーが強そうだが、関西馬ではイモータルに馬券妙味がある。前走のGⅠ朝日杯は直前の芝コース追いが低調な動き。レース当日もイレ込みがきつく持ち味が出せていないが、巻き返しムードはこの中間の動きにしっかり表れている。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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