フェブラリーSから今年もGⅠ戦が始まる。昨年はコパノリッキーが勝ち、史上初の連覇を達成した。

 3連覇を目指す今年だが、前2年ほどの楽な戦いは望めないだろう。前半の入りは一昨年が35秒5-48秒0-60秒6で1000メートル通過は前10年で最も遅かった。昨年も34秒3-46秒9と3、4Fは速めだったが、5F目が13秒1とペースが落ち、1000メートル通過は60秒0だから先行馬ペース。一昨年に続いて2番手から抜け出した。今年はそんな得意な形には持ち込めない。ハナ候補はコーリンベリーにモンドクラッセがいるし、直後を追走はスーサンジョイ、アスカノロマン、タガノトネール、グレープブランデーにモーニンもいる。1000メートル通過は59秒台、場合によっては09年、12年のように58秒台の速い流れになるケースまで想定される。

 もちろん、これは差し馬の流れだ。チャンピオンズC7着に続いて、東京大賞典でも逃げて4着に沈んだコパノリッキーには厳しい戦いになるだろう。差し馬の競馬なら今年はベストウォーリアに期待だ。一昨年が13着、昨年も3着に終わったが、先行ペースで好位、中団がごちゃつく流れ。特に一昨年は内の3番枠で直線は割って入るコースがなかった。交流GⅠの南部杯を2連覇したように、能力はここでも上位。東京マイルダートもこれまで7戦して〔3・1・2・1〕。馬券圏内を外したのは一昨年のフェブラリーSだけだ。

 3度目の正直へ陣営も今年は仕上げに熱が入っている。同じ休み明けだが、昨年と比べて2週間も早い乗り出し。3週前に坂路4F53秒8、2週前に4F54秒8の時計がすでに出ている。筋肉量が豊富な馬体も迫力がある。あと2本速い追い切りをかければ、当日はきっちり仕上がるだろう。もちろん休み明けでも動けるのがベストウォーリア。2か月以上開いた日程では〔5・2・2・0〕とすべて馬券に絡んでいる。

 ライバルは4歳勢だ。筆頭は東京マイル戦を得意にするノンコノユメ。暮れのチャンピオンズCは展開に利がなく、4角は苦し紛れにインを突いたが、きっちり連対を果たした。前半ペースが上がる今回は爆発的な末脚に期待がかかる。同じ関東馬のホワイトフーガも地方交流重賞で地力を強化した1頭。さらに関西馬のモーニンも有力だ。ベストは7Fだが、マイル戦でも軽視できない能力の持ち主。なおホッコータルマエの登録があったが、現状はドバイワールドC回りが濃厚だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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