スターホースが揃う中山記念が開幕中山のメインだ。最大の興味はロゴタイプ、イスラボニータ、ドゥラメンテと3世代の皐月賞馬対決が実現すること。春開催のオープニングにふさわしい好カードである。

 ただし、馬券的な面でいえば、取捨が難しいのが昨年の二冠馬ドゥラメンテだ。圧倒的な脚力を見せつけた昨年の春。無事なら先輩2頭をも飲み込むほどのパフォーマンスが可能だが、今回は骨折明け。病み上がりだけに中間の仕上げ過程も、やや慎重だ。レース2週前時点で3本のコース追いをかけているが、いずれも美浦ウッドで5F70秒割れがない地味な時計。最終追い切りまでチェックはもちろん必要だが、いきなり動けるかは疑問も残している。

 むしろ仕上げが進んでいるのは一昨年の皐月賞馬イスラボニータ。2週前時点で4本の追い切りをかけ、2月10日には美浦ウッドで5F68秒0のタイムも出た。この3頭では最上位の評価を与えていいだろう。

 馬券的に狙って面白いのは関西の4歳馬コンビだ。まずリアルスティールは昨年、三冠すべてに出走して皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着。あと一歩に泣いたが、今回は距離を詰めて1800メートルの舞台に挑戦する。これが吉に出る可能性は大だ。全兄のラングレーも昨年暮れから今年にかけて、中、長距離からマイル戦に転向して目下2連勝。オープンへの返り咲きを果たしている。切れ味勝負の弟も、本質はマイラータイプとみられるからだ。菊花賞以来の実戦だが、2月6日の坂路初時計から10日にはCウッドで7F追い。上滑りする馬場でも6F80秒を切ってきたから仕上げは進んでいる。主戦の福永も2週前から復帰。いきなり勝ち負けの期待をかけたい。

 アンビシャスも侮れない実力の持ち主だ。すでに昨秋、古馬と対戦しており、天皇賞では0秒2差の5着と見せ場も作った。折り合い面から距離短縮も間違いなくプラスになる。

 さて、関西ブロックも舞台を替えて春の阪神競馬が開幕する。土・日とも重賞が組まれていて、まず日曜の阪急杯はレッツゴードンキーを狙いたい。昨秋のマイルCSから、さらに1F距離を短縮する7F戦への挑戦だが、母マルトクの血統背景からもプラスに出るだろう。中間は岩田がつきっ切りで調教をつけており、仕上げも文句なしだ。

 土曜のアーリントンCはロワアブソリューを狙う。きさらぎ賞はキャリア負けしたが、新馬勝ちした阪神で巻き返しが可能だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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