3連勝できさらぎ賞を制したサトノダイヤモンドの春の日程が決まった。ぶっつけで皐月賞に臨み、その後はダービーへ。鞍上はルメールになる模様だ。相撲番付ふうに言えば、きさらぎ賞の圧倒的な内容から東の正横綱の位置付け。春クラシックで、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

 しかし、今年の3歳牡馬は近年でも例がないほどのタレントぞろい。今週の日曜日、中山競馬場で行われる弥生賞にも好素質馬が出走する。実績一番はリオンディーズだ。キャリア1戦で暮れのGⅠ朝日杯を制した天才ランナー。弥生賞から今年はスタートする。母は日米のオークスを制したシーザリオで、半兄は菊花賞、ジャパンC勝ちのエピファネイア。朝日杯で見せた末脚の破壊力は圧倒的だった。

 現時点の課題は決してレース巧者でないこと。折り合いに難があり、朝日杯も4角15番手からの追い込みだった。小回りの中山コースをどう攻略するかが今回のポイントになるだろう。帰厩後の調教過程を見ても併走追いが普通の角居厩舎で別メニューの単走追いだ。放牧で馬体に威圧感があり、落ち着きは見られるが、長距離輸送を含めてレースでの心配は残る。

 馬券の軸にはエアスピネルを推したい。朝日杯はリオンディーズの鬼脚に0秒1差屈したが、3着馬には4馬身の決定的な差をつけた。どの位置からでもスパートできる器用な脚質は中山コースにもマッチする。放牧から帰厩後も調整は順調そのもの。レース2週前時点で坂路追いが2本。2月17日には52秒2-12秒7の速い時計もマークしている。仕上げも早いタイプだから期待感が増す。

 マカヒキにも注意がいる。中山向きでない感じもあるが、ディープ産駒らしい非凡な決め手の持ち主。中間の坂路で51秒1の自己ベストを叩き出し、前走の若駒S勝ちから、さらに調子も上がっている。

 土曜阪神で行われるチューリップ賞も注目がいる一戦。桜花賞への最重要トライアルだ。今年の3歳牝馬は2歳女王で2月のクイーンCでも楽勝を演じたメジャーエンブレムが一枚抜けた存在だが、桜花賞向きの切れ味がある2頭のディープ産駒には注目したい。

 シンハライトにレッドアヴァンセだが、とりわけ後者の上昇度は本物だ。初勝利は3戦目だったが、続くエルフィンSも制してV2。大外からの決め脚に磨きがかかっている。今年3走目になるが、体重変動のない牝馬。阪神の外回りマイルもマッチする。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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