日曜阪神のメインはフィリーズレビュー。先週のチューリップ賞に続く桜トライアルだが、今年の桜花賞は栗東トレセン内でも1強の声があまりにも強い。それもそのはずで、2歳女王に輝いたメジャーエンブレムが年明けのクイーンCでも5馬身差の圧勝劇。勝ちタイムの1分32秒5はこの時期の3歳牝馬の時計ではない。騎乗したルメールも「僕は乗ってただけ」と涼しい顔だ。桜花賞へは直行する予定だが、よほどの異変が生じない限り1冠は確実だろう。

 さて、1強体制が強まったせいなのか、今年のフィリーズRは例年よりスプリンタータイプが多い。名より実を取るが陣営の意識にありそうで、なかでもV候補の一番手にはキャンディバローズを上げたい。昨秋のGⅢファンタジーSの勝ち馬で、実績的にも今回のメンバーでは一枚上の存在だ。1F距離が伸びた昨暮れのGⅠ阪神JFは9着に敗れ、マイル戦での不安を露呈したが、それゆえ7Fの今回は全力投球になるのは間違いない。

 今年初戦になるが、放牧先での乗り込みが順調だったのだろう。初時計の2週前追い切りは坂路で55秒6-12秒9と軽快な動き。400キロ台の小柄な牝馬であり、ファンタジーSも2か月半ぶりでの勝利と鉄砲も利く。管理する矢作厩舎は一昨年、全国リーディングのトップに輝いたが、今年は2月競馬終了時点でトップに立っている。この勢いも後押しする。

 日曜中山も牝馬重賞がメイン。こちらは古馬牝馬の争いで、ルージュバックの復活があるかが焦点だが、馬券はここも矢作厩舎のアースライズから入りたい。3歳の昨年はムラ駆け傾向が強かったが、暮れの準オープン勝ちが折り合い面で進境を見せる競馬。年明けの牝馬重賞、GⅢ愛知杯でも勝ちに行く競馬で直線は、いったん先頭に立つシーンを作った。大外を強襲されコンマ2秒差の3着に敗れたが、重賞でも勝負になる感触を残していた。放牧から帰厩後の気配も上々で、中山もGⅢフラワーCで連対したコースだ。人気的にも妙味ある軸馬である。

 今週は中京でも土曜日に重賞が組まれている。GⅢ中日新聞杯は実績馬、上がり馬が入り乱れる難解な競馬だが、アングライフェンの勢いを重視したい。初勝利まで8戦を要したステイゴールド産駒が、以後は〔4・2・1・0〕の急出世。前走の東京戦も楽勝だった。メンバー次第で先行、差しを使い分ける自在脚質で、直線の長い左回りコースはマッチ。混戦に強いタイプだから楽しみだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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