フィリーズレビューは1勝馬のうちどれが抽選をくぐり抜けてくるか、この原稿を書いている時点では分かりようがない。ただ、過去10年で新馬・未勝利を勝ったばかりの馬は〔0・0・0・9〕、500万条件を負けてきた馬は〔0・0・0・19〕だから、そこをあまり気にする必要はない。

 1勝馬が馬券に絡むとしたら、勝ち上がったあと強気にオープンに挑み、そこからフィリーズレビューに来る形になった馬だけだ。フィリーズレビューは、過去10年で全馬を均等買いした場合の回収率が単81%・複118%と、荒れやすいレース。その主役となっているのは前走1600メートル以上を走っていた距離短縮組で、このグループの回収率は単複とも100%をやすやすと超えている。

 先述した「新馬か未勝利を勝って臨むか、500万を負けてきた」という馬を排除すると、残った距離短組の回収率は単154%・複178%となる。そこでポイントとなるのが血統だ。たとえば、ファルブラヴの産駒はワンカラット、アイムユアーズ、スピードリッパーと3頭が馬券に絡んできた(出走4頭中)。一方でディープインパクトやダイワメジャーの人気馬がその人気を裏切るような結果も出ている。つまり、単に距離短縮なら良いというのではなく、距離短縮がプラスに働く馬が良いということだ。それも単純にスタミナの問題ではなく、ラップに起伏が生じやすいマイル戦より、ワンペースで進む1400メートルのほうが得意という馬が、ここで穴になるわけである。

 今年の想定馬でいうと、◎カトルラポールを挙げておきたい。すでに12戦を消化しているという昭和風の臨戦過程だけに状態面での上積みは見込めないが、父グラスワンダーということで期待したい。グラスワンダー産駒は芝1400メートルでの通算回収率が単114%・複86%。阪神芝1400メートルに限ると単301%・複107%。回収率だけなら一発大穴で数字を作ることもできるが、勝率12.5%・複勝率26.9%は他競馬場の1400メートルより圧倒的に高い。

 ○にワンダフルラッシュ。ここ2走は1200メートル戦を使ったが1600メートルも勝っておりスタミナに不安はない。オープン好走歴もあるので、今回のメンバーならレベル的にも足りる。▲にクードラパン。この馬はマイル向きで1400メートルが良いというわけではないが、強さの絶対値が明らかに勝っている。

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