昨年の覇者エアロヴェロシティが香港から参戦。半馬身、ハナ差で続いた2、3着馬のハクサンムーン、ミッキーアイルもリベンジを誓って出走。さらには初挑戦組も今年は手強い。アルビアーノ、ウキヨノカゼ、ウリウリ、レッツゴードンキの牝馬カルテットに、地力強化した牡馬勢も加わる。

 前哨戦のオーシャンSを制したエイシンブルズアイ、シルクロードSの覇者ダンスディレクター。サトノルパンは昨秋の京阪杯の勝ち馬で、重賞勝ちはないが、ビッグアーサーも能力はGⅠ級だ。あと、一昨年のスプリンターズSの覇者スノードラゴンもスタンバイしている。

 注目したいのは3頭の先行争いだ。前哨戦の阪急杯を逃げ切ったミッキーアイルは今回もハナに行く構え。ハクサンムーンも2着だったオーシャンSでハナを主張した。さらには単騎ハナにこだわるローレルベローチェ。前半3Fは、おそらく33秒台にヒートアップするだろう。

 新コースになって5年目の今年。これまではすべて34秒台のラップで流れているが、逃げトリオが作り出す激流は連覇を狙うエアロヴェロシティにとっても歓迎できない材料。激流に巻き込まれ、高速決着が死角にもなりうる。流れが向くのは直線勝負の差し馬たち。中でも候補一番手はダンスディレクターだ。

 ステップレースのシルクロードSで初重賞勝ち。以前よりスタートが良くなり、フルに力を出せるようになった。もちろん売りは強烈な決め手。これまで最速上がりを8度もマークしているが、33秒台は当たり前。2週前追い切りで坂路52秒8をマークし、動きに機敏さを加えた中間の稽古からも、前走以上の決め手が引き出せる。

 アルビアーノもV候補の1頭。初の6F戦だった前走、オーシャンSは出遅れて、直線でも挟まる不利。それでいて最速の上がりをマークだから能力が高い。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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