マラソン福士加代子「リオでメダル確実」な理由の画像
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 3月13日、リオ五輪女子マラソンの最終選考レースである名古屋ウィメンズマラソンが行われ、ようやく派遣選手が決定した。田中智美(28)が小原怜(25)とのデッドヒートを1秒差で制し、2時間23分19秒で優勝を果たしている。「その記録が福士のタイムを上回らなかったことで、代表選びもすんなりいった感じですね。陸連もホッとしているんじゃないでしょうか」(スポーツ紙記者)

 昨夏の世界陸上で入賞した伊藤舞(31)が内定しているため、残り2枠を争う形となった五輪選考。1月の大阪国際女子で福士加代子(33)が陸連の設定記録を上回って優勝したにもかかわらず、五輪内定をもらえなかったことから“名古屋強行出場”を宣言。直前で出場は見送ったものの、物議を醸していた。「これで嫌なムードも一新して臨めるわけですから、選ばれた人には頑張ってほしいですね。特に福士は、コンディション次第ではメダルも狙える位置にいると思うんです」(前同)

 五輪でのメダルが実現すれば、アテネで金の野口みずき以来、12年ぶりの快挙。女子マラソンの五輪記録は、前回ロンドン五輪の2時間23分台で、福士の自己ベストである2時間22分17秒は、それを上回るタイムだ。「あまり評価されていませんが、福士さんはモスクワ世界陸上(13年)のマラソンで銅メダルを獲得しています。あの走りを再現できたらメダル確実ですね」

 元陸連副会長の澤木啓祐氏も、こう太鼓判を押す。開催が8月というのも好条件。真夏のマラソンなら、暑さに強いアフリカ勢が有利だが、南半球にあるリオはこの時期、冬といっても平均22度程度の適度な気候だからだ。

 そして、もう一つ、福士が名古屋に出場しなかったことも正解だったという。「さすがに40日のインターバルでマラソンに出場するのは無謀です。体力の消耗も想像以上ですし、何よりケガをする可能性が高い。万全のコンディションで五輪に臨めるのが、一番の好条件ではないでしょうか」(専門誌記者)

 だが、それでもアフリカ勢の壁は厚い。「ペースメーカー不在の五輪マラソンでは、アフリカ勢は30キロ過ぎまで大集団を作ってスローペースで走る傾向があります。牽制し合い、30キロ過ぎからギアを切り替えて高速レースになることが多いんです。そのペースに飲み込まれると、スプリント力で劣る日本選手は対応できなくなってしまう可能性があります」(マラソン関係者)

 現在のマラソンの勢力図は、アフリカ勢のこの走法によって、大きく変わってしまったという。厳しい状況ではあるが、そこにも“追い風”が吹いてきた。昨年発覚したロシア陸連の組織的な薬物使用疑惑を機に、アフリカ勢にも疑惑の目が向けられているのだ。「世界陸連のドーピング基準が厳しくなって、疑わしいアフリカ勢が五輪出場を回避する傾向にあるといわれています。ライバルたちの自然消滅で、クリーンな日本の選手がメダルに近くなっているわけですよ」(前出の澤木氏) はたして福士は、日本女子マラソン復活の立役者になれるか!?

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