今年は下馬評通りの3強決戦だが、勝つのは◎メジャーエンブレムだ。2歳女王を決めた昨年の阪神JFは2番手から抜け出す完勝劇。着差は2馬身だが、同世代では抜きん出た脚力を見せつけた。今年の初戦は前走のクイーンCだが、ハナを切ってそのまま5馬身差の圧勝劇。勝ちタイムの1分32秒5は開催ナンバーワン。1週前の東京新聞杯より1秒6も速く、この時期の3歳牝馬としては驚異的な時計だった。今年に入って、関西から○ジュエラー、▲シンハライトと期待の3歳馬が出現したが、メジャーエンブレムも進化している。怪物めいたこの牝馬を負かすのは骨だと思う。

 前走後は短期放牧に出たが、体調も素晴らしい。帰厩後の初追い切りでは美浦のWコースで5F66秒0-3F36秒6を馬なりでマーク。鞍上は、3月競馬の終了時点で早くも50勝を超えた(52勝)ルメール。信頼できるジョッキーで一冠を手中にする。

 相手筆頭はMデムーロ騎乗のジュエラー。チューリップ賞はシンハライトにハナ差競り負ける2着だが、道中から勝ち馬の徹底マークに遭い、馬群の中に押し込められたが、それでも直線はこじ開けて、一旦は先頭に立つ場面を作った。2走前のシンザン記念では牡馬相手に出遅れながら2着。負けん気の強さが魅力だ。いつも通りテンションは高めだが、体の張りが目立つ中間気配。坂路で3本の時計もマークし、まだ上がり目を見込んでいい。

 3戦3勝のシンハライトをジュエラーより下にみたのは、上がり目のなさ。まだ体質的な弱さが残り、前走勝ちをそのまま鵜呑みにできない。中4週と日程が詰まった点もどう出るか。素質、勝負強さを買っても今回は3番手。伏兵を1頭挙げれば★デンコウアンジュだ。一度はメジャーを負かした馬。スムーズな競馬ができていない前2走だけで評価を下げるのは危険だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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