大谷翔平、藤浪晋太郎…甲子園を沸かせた「“春のセンバツ”モンスター選手誕生の瞬間」の画像
大谷翔平、藤浪晋太郎…甲子園を沸かせた「“春のセンバツ”モンスター選手誕生の瞬間」の画像

 智弁学園が春夏通じ初優勝を飾るなど、今年も多いに盛り上がりをみせた春のセンバツ甲子園では、過去にも数多くの名場面、名対決、そして名プレイヤーが生まれてきた。今回は、2012年の春のセンバツで鮮烈デビューを果たした、3人の“モンスター選手”誕生の瞬間を紹介しよう。

●大谷翔平(花巻東)一回戦敗退も投打で見せた片鱗! 現役最強投手、驚愕の“全国デビュー”!

 花巻東VS大阪桐蔭が決まると、抽選会場は大きくどよめいた。花巻東の大谷翔平(現日本ハム)と、大阪桐蔭の藤浪晋太郎(現阪神)。両エースの投手戦が期待されたこの試合、意外な結末が待っていた。5回まで強打の大阪桐蔭打線を無失点に抑えていた大谷だったが、後半に乱れ、まさかの9失点。「大谷は、序盤から制球が荒れに荒れ、7四死球。スライダーなどで前半は切り抜けていましたが、最後は力尽きてしまいましたね」(スポーツ誌編集者) 投手としては力を発揮することができなかったが、打者として大きな爪痕を残した。「藤浪との初対戦で、いきなりスタンドにぶち込みました。この日から、大谷の“二刀流論争”が始まったと言っても過言ではありません」(前同) 一回戦敗退も、ファンとスカウトのハートをワシ掴みにした一撃だった。

●藤浪晋太郎(大阪桐蔭)身長197センチから投げ下ろす最速153キロの剛速球で全国にも敵なし!

 全5試合で150キロ超え。身長197センチの大阪桐蔭・藤浪晋太郎(現阪神)が投げるストレートは、まさに剛球だった。「ただ、実は春の時点ではそこまでスカウトの評価は高くなかった。投球フォーム、変化球の精度、どれも成長途上でした。それでも、素材だけで150キロを投げるあたりに、底知れぬ潜在能力を感じました」(スポーツ紙アマチュア担当記者) 大阪桐蔭といえば強打を連想させるが、この大会では打棒爆発という試合は多くなかった。特に準々決勝の浦和学院戦は、8回まで1-2と劣勢の試合展開だったが、9回に集中打を集め逆転。3-2と薄氷の勝利だった。これも、藤浪が打たれても最少失点に抑える粘り強い投球が逆転劇を呼んだのだ。同年夏、藤浪は再び甲子園に戻ってくると、進化を遂げた圧巻の投球を見せるのだった。

●森友哉(大阪桐蔭)ミート力は大阪桐蔭史上No.1! どんな球でも簡単に打ち返す恐怖の1番打者

 数々の強打者を生んだ大阪桐蔭の西谷浩一監督をして「ミート力は歴代ナンバーワン」と評すのが森友哉(現西武)だ。今となってはおなじみの重心の低いフォームから、右に左に面白いようにヒットを放つ。さらには、170センチの小柄な体型から繰り出される打球は、いとも簡単に外野の頭を越えていく。「2年生ではありましたが、すでに大会ナンバーワン打者でした。特に驚いたのは流した打球の飛距離。準決勝の健大高崎戦で左中間の一番深いところに放り込んだんです。あの方向にあそこまで飛ばした左打者は、高校生で見たことありませんね」(スポーツ紙カメラマン) 捕手としても1学年上の藤浪を好リード。藤浪はプロ入り後も「一番の捕手は森」と答えているように、守備での信頼も厚かった。

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