開幕京都のメインはマイラーズC。勝ち馬には安田記念の優先出走権が与えられる重要な前哨戦だ。今年のメンバーを見渡すと、1頭ずぬけた存在はフィエロだろう。前2年、同じ京都マイルで行われたGⅠマイルCSで連続2着の実績馬。一昨年はダノンシャークとハナ差の接戦で、1分31秒5の速い時計で走っている。

 昨年は相手が悪かった。勝ち馬は直後の香港マイルも制したモーリスだ。ダノンシャークにかつての勢いがなく、ビッグネームの名もない今回はまさしく負けられない戦いになる。そんなフィエロにまだ重賞タイトルがないのは競馬界の七不思議だが、このマイラーズCも前2年は2、3着に敗れている。スローペースで差し届かなかったのが第一の敗因だが、藤原英厩舎の本番GⅠを重視する仕上げもあったかもしれない。

 しかし、今年7歳のフィエロは、いわば最後の勝負の年。京都マイルで〔1・3・1・0〕と抜きん出た成績を残しており、今回こそは重賞タイトルを狙っていると読み解きたい。その証拠に昨年のマイラーズC時より攻め内容も濃い。レース4週前に早くもCWコースで併走調教を行い、1週後の3月30日、2週後の4月7日と同じCWで連続の併せ馬。その2週前追い切りでは6F83秒8-3F39秒4の時計が出た。これならいきなり好結果が期待できる。黒光りする馬体は年齢を感じさせない張りに満ちているし、動きも実に俊敏。レース週までにトーンはさらに上がるはずで、勝ち癖をつける一戦になるだろう。

 2着争いは混戦だが、いつも人気にならないテイエムイナズマを狙ってみたい。2歳時に同じ舞台でデイリー杯を制したが、その後は引っ掛かる悪癖が表面化して伸び悩んでいた。しかし、ここ2走は古川との相性もよく、折り合ったレースができてオープン特別で1、2着と連続好走だ。もう無視できない存在だ。

 開幕東京も日曜日に重賞が組まれている。芝2000メートルで行われるフローラSだ。関西期待はまずパールコード。アカ抜けした馬体はデビュー時から目立っていたが、3戦して2勝3着1回の戦績。前走のミモザ賞は初の2000メートル戦で結果を残した。510キロを超える大型牝馬で、まだ上積みが見込める馬体。途中追い上げも利くタイプだから楽しみだ。抽選突破ならギモーヴにも穴の楽しみがある。父はハービンジャーで、こちらも距離延長の2000メートルは大歓迎である。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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