GWの渋滞回避法を伝授!!「全国高速道路」混雑分析の画像
GWの渋滞回避法を伝授!!「全国高速道路」混雑分析の画像

 行楽シーズンになると日本各地に現れる長蛇の車列。しかし、その情報を事前に把握すれば、あの地獄を回避できるのだ。

 まもなく訪れるGW(ゴールデンウィーク)。春の陽気に誘われ、行楽に帰省にと、いつも以上に出かけたくなるのが、この長期休暇。しかし、この時期にはつき物の迷惑な事態も起こる。高速道路の渋滞だ。高速道路ジャーナリストの村松虎太郎氏が話す。「昨年のGWは天候に恵まれなかったこともあって、事前の予測データよりは渋滞回数は少なくなりました。それでも、東北道・岩舟JCT(栃木県)付近では、約64キロもの渋滞が発生するなど、各地で車列が発生しました」

 そんな渋滞だが、各高速道路会社も警鐘を鳴らすように、事前予測されている当該区間の当該時間を避ければ、渋滞を回避できる可能性は非常に高いと言える。渋滞のストレスに悩むことなく時間を効率的に使えば、燃費がよくなってガソリン代も浮く。まさにいいことずくめ。そこで本誌は、各高速道路会社が公表しているデータを基に、独自の渋滞マップを作成した。それを分析すると、いくつかの注意ポイントが見えてきた。

 まず、今年の渋滞はピークが2回あるということだ。一度目が、4月29日~5月1日の3日間で、2度目が5月3~5日の3日間である。今年は、5月2日(月)と6日(金)の2日を休めば10連休になると謳う航空会社や旅行会社が多いが、実際にそこを休める人は少なく、前半と後半に分断されていると言える。特に後半は、前半の2倍以上の回数の渋滞が予測されているので注意が必要だ。逆に言えば、2日と6日は上下線ともに極端に渋滞が少ないので、ここを休める人にとっては格好の移動日になるだろう。また、現段階で最長55キロの渋滞が予測されているのは実に意外な場所だった。それは、5月4日午後10時頃の神戸淡路鳴門道の舞子TN出口付近(神戸市)。「渋滞の多発地帯といえばいくつか名前が挙がりますが、ここを挙げる人はあまりいませんから驚きです」(観光バスの男性運転手)

 同道は、淡路島を経由して、本州と四国を結ぶ橋梁がメインの道路。迂回(うかい)路はないに等しいので、ぜひとも避けてほしい。また、4月28日から5月8日までの期間で昨年と比較すると、10キロ以上の渋滞が昨年より56回も多い352回も発生する見通しとなっている。毎年のことではあるが、上り線の渋滞が多いのも際立っている。さらに路線別で見ると、交通量とは裏腹に渋滞が異常に少ない高速道路がある。「それは東名道です。大和TN付近こそ多くの渋滞が予測されていますが、それ以外の区間では10キロ以上の渋滞がまったく予測されていません。今年2月に新東名の“西側区間”、つまり、浜松いなさJCT~豊田東JCTの55キロが開通したことで、静岡・御殿場から三重・四日市までがWネットワーク化したことが要因です」(前出の村松氏)

 不慮の事故による突発的な渋滞は別にして、東西を結ぶ大動脈で交通渋滞がゼロになるメリットは、誰にとっても大きい。しかも、「新東名は道幅や路肩が広く、カーブや勾配が極端に少ないので、とても快適に走れます。事故も少なく、実際に走ると驚くほど燃費が良くなるんです」(前同) それゆえ、新東名で先行開通していた御殿場JCTと浜松いなさJCTは、「3月の警察庁の発表によれば、将来的に法定速度を時速120キロに引き上げる方針で、来年以降、試験的に110キロ走行が認められる予定です」(全国紙記者)

 そんな新東名には、さらにうれしいポイントも。開通と同時にオープンした、岡崎SAと長篠設楽原PA(いずれも愛知県)が、家族で楽しめるスポットになっているのだ。「長篠設楽原PAは、その名前を聞いてピンとくる方も多いように、かつて、織田信長と徳川家康の連合軍が、鉄砲を駆使して最強・武田軍を破った古戦場近くにあるんです。そのため、PAは細部に至るまで戦国合戦ムードで、甲冑や鉄砲のレプリカも飾られているほど。食事メニューも家康が好んで食べた鯛の天ぷらなどの名物が揃い、思わず時間を忘れて遊んでしまいます」(前同)

 一方の岡崎SAは、八丁味噌の町を意識して、蔵造りのような外観になっているだけでなく、「レストランやお土産も名古屋メシが豊富に揃っています。中でも『カフェテリア岡崎農場』の“カクキュー八丁味噌の野菜らーめん”は、八丁味噌のうまみとコクがプリプリの麺に絡んで、めちゃくちゃうまい。ここを通るときは毎回立ち寄ってしまうんです」(同) さらに、GW期間中は手ぶらでバーベキューを楽しめるコーナーもあるので、思わぬ時間ロスになるかもしれない!?

 とはいえ、注意しなければいけない点もあるという。「2月に開通したばかりとあって、登録されていないナビも多く、新規開通期間を通らないルートや一般道を通らせようとしてしまうんです。なので、新東名に入る浜松いなさJCTと豊田東JCTなどでは、注意して進行してください」(同)

 ちなみに、ここ数年で開通した高速道路の長距離区間は他にもあり、東京-仙台間をWネットワーク化した常磐道、高崎-宇都宮-水戸を最短で結ぶ北関東道、京阪地域を迂回して兵庫から福井・北陸方面に抜けられる舞鶴若狭道などは、ぜひ利用したい路線だ。

 また、今月24日には東九州道の椎田南IC~豊前ICが開通することで、同道が全線開通。それまで孤立していた北九州-大分-宮崎が1本で結ばれ、福岡-宮崎間がWネットワーク化されるのだ。行楽シーズンに欠かせない高速道路。上手に活用していただきたい!

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