その旺盛な好奇心と向上心に感動させられたのが、いまや落語家の重鎮となった桂文珍師匠である。インタビューさせていただいたのは三十数年ほど前のこと。当時、その軽快なトークや人懐っこい表情などから、落語家としてだけでなく、テレビ番組の司会者としても人気を博していた。

 そんな文珍師匠をインタビューしていて、強く印象に残ったのが、大阪や東京など大都会への強い好奇心と、それに負けてたまるかという、これまた強烈な向上心のようなものだったのである。その証拠に、師匠はニューウェーブ落語という、パフォーマンスを交えた新しい落語を始めたし、本職以外でも関西大学文学部で非常勤講師を務めるなど、新しいことにチャレンジして、しかも、それを成功させた。

 そして、アタシが一番ビックリしたのは、飛行機操縦の資格を取り、自家用飛行機を操縦し始めたこと。関西の落語会は芸能史に残るような傑物を何人も生み出したが、桂文珍師匠もその一人であろうと、確信している。少年よ、大志だけでなく好奇心と向上心を抱け!

 さて、ゴールデンウィークの今週は、競馬フリークの好奇心を刺激するGI・NHKマイル(東京競馬場・芝1600m 5月8日)が行われる。本命に推したいのは、牝馬のメジャーエンブレム。2走前のデイリー杯クイーンカップと3走前の阪神ジュベナイルFでの強さが忘れられないからだ。

 ところが、前走の桜花賞。パドックを見たとき、いつものふてぶてしさが見られないような気がしたのだが、その印象は的中。馬群に揉まれ、4コーナーを7番手で回ると、結果は4着。メジャーエンブレムには強い気持ちを思い出してもらい、今度こそ無念を晴らしてほしい。勝負は同馬の単1本!

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