意外に知らない「野菜のベストな摂り方」 きゅうりは加熱、大根は生食が一番!?の画像
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 野菜は健康のために欠かせない食材です。煮ても、焼いても、生のままでも美味しくいただけるものが多いけれど、実際健康のためにはどのようにして食べるのが正解なのでしょうか。生で食べたほうがよい野菜、加熱したほうがよい野菜など、意外と知らない野菜の事実をまとめました。

●にんじん
 野菜スティックなど生で食べる人が増えていますが、にんじんにはビタミンCを破壊する酵素が含まれているので、食べる場合は加熱し、この酵素を破壊することが大切です。またにんじんに含まれるβ-カロチンは油などで炒めると吸収しやすくなります。

●たまねぎ
 神経疲労や不眠症を回復させるためには、生でいただくのが一番。コレステロールや中性脂肪を減らしたい場合は、加熱してから食べるようにするとたくさん食べられます。いずれの場合も、スライスしてすぐに水にさらすと、栄養成分が水に溶けて流れてしまうので、切ってから15分ほど放置し、成分が安定してからサッと水に浸したり調理するよう心がけましょう。

●大根
 大根には胃腸の働きをサポートする「アミラーゼ」、免疫力を強化する「プロテアーゼ」、脂肪を分解・燃焼させる「リパーゼ」という3つの消化酵素が含まれます。しかしこれらの酵素は非常に熱に弱く、50度以上で加熱すると、ほとんどが壊れてなくなってしまいます。だからといって生のまま食べても消化しにくいので、大根を効果的にいただくなら「大根おろし」がいちばん!! 大根をおろすと「イソチオシアネート」という成分が作られ、これは美肌効果も高めてくれます。すりおろしてすぐにいただかないと、このイソチオアシネートはどんどん分解されてなくなってしまうので、すったらすぐにいただくようにしてください。

●きゅうり
 にんじん同様、ほかの食材のビタミンCを壊してしまう酵素が含まれているので、炒めたり茹でたりと加熱していただくのがベスト。旬を迎える夏は、サラダよりも味噌汁の具にしたほうがヘルシーにいただけます。

●ブロッコリー
 冬野菜の代表格で栄養価バツグンのブロッコリー。加熱によりビタミンなどが逃げてしまいやすくなりますが、栄養の流出が激しいのは切り口の部分だけ。なるべく大きめにカットし、沸騰したたっぷりの湯に塩を入れて90秒程度加熱し、水洗いせずにいただけば十分に栄養を摂ることができます。電子レンジでの加熱や生食もOKです。

●ほうれん草
 ほうれん草に含まれる鉄分、カルシウム、マグネシウムといったミネラル類をそのまま体内に入れたいのであれば、生食が一番。でも、ほうれん草にはシュウ酸という成分が含まれていて、生のまま食べてしまうと尿路結石など体調を崩す原因になってしまうかもしれません。シュウ酸は茹でることでなくなりますので、生食用ほうれん草以外は必ず下茹でしてから使うようにしましょう。

●トマト
 トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用が強く美肌効果があるとされています。このリコピンは加熱することで吸収力が高まるので、トマトのサラダを作る場合でも必ず湯通しをしたり炒めたり、加熱することをおすすめします。ちなみにこのリコピン、トマトの皮に最も多く含まれるので、湯むきしてしまうのはNGです。

●アスパラガス
 初夏が旬のアスパラガス。生食もできますが、よほど新鮮なものでないと厳しいため、茹でて食べるのが一般的です。ただ茹でることでうまみや栄養成分が溶け出てしまうので要注意。根本を切ったりせず長いままでやや硬めにサッと茹でると、栄養価をあまり損なわずにいただくことができます。

 いかがでしたか。もちろん、好きなように調理して美味しく野菜を食べることがなにより大切です。生か加熱かは参考程度にして、あまり考え過ぎず、野菜のさまざまな風味を楽しむようにしてみてください。

文=わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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