GI4連勝中のモーリスに注目が集まるが、今回は輸入検疫→着地検疫と仕上げ過程でのマイナス材料がある。能力は断然だが、スキもあるとみた。逆転候補の一番手にサトノアラジンを挙げたい。ひと叩きして攻め強化。状態も良くなっていたが、それにしても前走の京王杯SCは素晴らしい勝ちっぷり。1F短い7F戦で前半は流れに乗り遅れたが、それを跳ね返す直線の切れ味。上がり3Fは32秒4。他馬とは瞬発力が違っていた。

 アラジンは栗東トレセン内でも一際、目立つ好馬体の持ち主。陣営も柔らかみあふれる、素晴らしいフットワークからGIへの期待値が高いが、前走がテン乗りだった川田も素質にホレ込んでいた一人だ。

 それが念願かなっての初騎乗で自信が膨らむ勝利。よほど感触が良かったのか、レース後に「本番へ自信を持って臨める」と力強いコメントだ。もちろん1F延びるマイル戦はプラス材料しかなく、中間も前走の素晴らしい状態をキープできている。未完の大器が一気に花開く可能性は高い。

 ○リアルスティールにもVの可能性はある。モーリスと同じ海外遠征後の一戦だが、こちらは日程的な余裕があり、すでに栗東トレセンで追い切りも消化している。2週前追いはCWコースで6F80秒8の時計が出た。いくらか緩みがある馬体だが、あと2本は追い切れるから、いい仕上がりで臨めそうだ。ドバイターフで待望のGI勝ち。マイルから2000メートルと距離の適性もつかんでの参戦だから楽しみだ。

 馬券的にはフィエロも無視できない1頭だ。決め手の鋭さはこのメンバーに入っても上位で、今回は人気を下げての出走。一発を狙いやすい状況下で鞍上がルメールだから怖さが増してくる。中間は攻めを強化、張りを加え、黒光りする馬体も素晴らしい。あと、東京マイル戦でイスラボニータ、ダノンプラチナを押さえる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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