春風亭昇太「笑点新司会」就任決定の“ウラ事情”の画像
春風亭昇太「笑点新司会」就任決定の“ウラ事情”の画像

「(次の「大喜利」司会は)春風亭昇太さん(56)にお願いします」

 5月22日『笑点』(日本テレビ系)の生放送で桂歌丸(79)からその名が告げられたとき、日本中にザブトンから転げ落ちるような衝撃が走ったに違いない。というのも、新司会者の筆頭候補は、実力と実績を踏まえ、三遊亭円楽(66)だという見方が大勢を占めていたからだ。米国大統領選の情勢を意識するように、腹黒強権キャラの円楽が“笑点のトランプ”として司会に君臨するこれは既定路線とみられていた。だが、蓋を開ければ昇太が新司会者に。実はこのサプライズ人事が決定したのは今年2月。番組サイドが新司会者を決めるにあたって、笑点メンバー全員をシミュレーションしたという。

 ここで最終候補に残ったのが「円楽さんと昇太だった」(番組関係者)というのだ。決め手となったのが“大喜利をやる際の都合”だった。政治や社会問題をチクリと風刺できて、メンバーいじりを縦横にこなせる円楽が「回答者で残るほうが番組のクオリティをキープできる」(前同)という判断があったという。

 円楽が大喜利メンバーに残れば、新司会の昇太がとちったときに、ここぞとばかりにツッコめる。自身が司会に選ばれなかった不満をぶつけ、新たな対立をネタにできる。これは昇太にとってもオイシイ関係だ。だが、円楽が司会に選ばれなかった理由にはもう一つ、別の事情がある。円楽はここ10年、東西人気落語家たちを結集させる大イベント『博多・天神落語まつり』を仕切るなど、プロデューサーの才覚を発揮中。もし円楽が司会となり、このプロデューサー気質で番組を強く仕切ったら、「誰もノーと言えなくなり、番組全体のコントロールが効かなくなるのでは?」(同)という懸念がスタッフ側に働いたというのだ。

 その点で昇太は、全方位に耳を傾ける柔軟さを持つ。かつて、後輩の三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いちたちと新作落語家のユニット『SWA』を組んだとき、昇太は最年長なのに、「芸歴の差を問わず、みんなが同格で自由にアイデアを出し合える方式を採用したことで、作品の質を高めた」(落語関係者)という。それでいて舞台後の打ち上げの支払いはワリカンにせず、すべて昇太持ち。「口は出さずに金は出す」好かれるリーダータイプと言えよう。ただし、「昇太が打ち上げで行く店は、さくら水産などリーズナブルな居酒屋ばかり」(前同)だったそうだが……。

 周りの意見を聞き入れる調整型の昇太は、所属する落語芸術協会でも理事を務め、近い将来、ここでも歌丸の跡を継ぎ、会長職に就任するとみられている。笑点司会に加え、落語界の実力派団体の会長となれば、まさに落語界全体を牽引するリーダーだ。そんな重職にありながら「嫁が来ない」「滑舌が悪い」と円楽らにツッコまれる、いい意味で軽量級なユル~い仕切りこそ、新しい笑点の魅力になるかもしれない。

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