エプソムカップは中距離のGIIIだし、圧倒的に強い馬が出走するということも少ない。どの馬が好走してもおかしくないように見えるが、実は堅い重賞である。過去10年のエプソムCで全馬の単複を均等買いした場合の回収率は、単37%・複55%。標準的な値が70~80%だから、どれだけ穴が出ていないかが分かる。過去10年の連対馬はすべて7番人気以内だし、2ケタ人気で3着に来た馬も2頭しかいない。1番人気馬は〔3・3・2・2〕と堅調だ。

 もうひとつ特徴的なのが、4歳馬の強さ。過去10年というと、エプソムC週に4歳馬が降級(収得賞金半減)している時期としていない時期が混在することになるが、いずれにしても4歳馬が強い。一昨年だけは2頭いた該当馬が両方とも崩れたが、昨年は2頭だけいた該当馬がワンツー。13年は4頭だけいてそこから1、2、3着馬が出た。12年は3頭の該当馬から2頭がワンツー。11年は4歳馬が5頭と多かったとはいえ、やはりそこから1、2着馬が出ている。

 人気馬が強いこととも関係があるが、前走成績がそのまま参考になりやすいのも、エプソムCが堅く収まりやすい一因だ。前走オープン特別組は1~3着してきた馬が〔4・2・2・15〕に対し、4着以下から来た馬は〔0・0・1・37〕。前走GII・GIII組は前走6~9着馬にもチャンスはあるが、2ケタ着順から来た馬は〔0・0・2・30〕。前走6~9着組はその前走において1~3番人気だった馬は〔3・3・0・1〕と人気を裏切ったリベンジを果たしているが、前走4番人気以下で6~9着だった馬は〔0・0・1・14〕とほとんど機能していない。

 今年の想定馬に照らすと、前走がヴィクトリアマイルの◎ルージュバック、オープン特別1着の○ロジチャリスという両4歳馬を馬券の中心に据えたいところだ。同じ4歳でもマイラーズC10番人気5着からここへ来る△アルバートドックは少し評価を下げざるをえない。5歳以上の馬では、やはりレース内容が安定している▲フルーキーをまずは押さえたいところ。オープン特別で好走を続けている★ラングレーも、これまで重賞実績はないがそろそろ馬券に絡んできてもおかしくない。重賞上位人気で6~9着という馬は想定馬にいないので、最終的な出馬確定を待って拾いたい。

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