開幕中京のメインはサマースプリントシリーズ第2戦のCBC賞。昨年、シリーズチャンピオンに輝いたベルカントが出走を予定している。乗り込みが進み、仕上げは順調だ。6月1日の坂路55秒6が初時計で、1週間後の8日には併走で52秒9-12秒1。さらに16日には50秒2-11秒9で併走相手を1秒も千切ってきた。もともと時計が出るタイプだが、レース2週前時点でこの活発な動きだから、メンバー的にもかなりの人気を集めるだろう。

 しかし、疑問材料もある。左回りコースに実績がない点だ。それは右側に張る癖があり、左回りコースだとコーナーでふくれ気味になる弱点が影響している。ラチぞいの最短距離を走れず5着に敗れたのは2年前のCBC賞だ。絶好の逃げを打ちながら4角のコーナーリングで減速。後続の差しを許した。当時と同じ休み明けでの出走。馬券的には押さえの評価だ。

 ◎期待はエイシンブルズアイ。今年は3月のオーシャンCで待望の重賞勝ち。これは陣営の戦略の勝利でもあった。すなわちマイル戦を2度経験させたあと、スプリント戦へ再登板。効果はそれまでの先行抜け出しから、中団差しへの脚質転換につながり、続くGI高松宮記念でも小差の5着と健闘した。

 今回はそれ以来の出走になるが、ベルカントとは違い鉄砲使いは得意。これまで2か月ぶりの淀短距離S、9か月ぶりの桂川Sと2度も1着発進している。乗り込みも進んでいて、初時計が6月2日で5日に坂路58秒4、8日に54秒8の時計を出し、15日には52秒7-12秒4の素軽い動き。馬体の色艶もよく、いきなり結果が出せそう。

 サマーシリーズ第1戦の函館スプリントSは3歳馬のワンツーだったが、夏ローカルはコース巧者にも注意がいる。その意味で気になるのは関東馬のレッドファルクスだ。もともと左回りが得意で、とりわけ中京はダート、芝を問わず〔3・1・0・0〕のオール連対。6F芝も昨年のトリトンSを4角11番手から最速上がりで差し切った。東京のオープン特別を制し、勢いをつけての重賞挑戦だから怖さがある。

 同じ日曜日、福島では3歳馬によるラジオNIKKEI賞が行われる。昨年はトップハンデの56.5キロを背負ったアンビシャスが制したが、連覇を狙って音無厩舎はブラックスピネルを送り出す。重賞でも2度入着がある実績馬で、ベストは2勝している千八の距離。小回りコースは折り合い面でもプラスに働く。(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む