柳楽優弥に広末涼子「海外で映画賞を勝ち取った」日本の俳優たちの画像
柳楽優弥に広末涼子「海外で映画賞を勝ち取った」日本の俳優たちの画像

 フランスのカンヌ映画祭で5月、浅野忠信(42)が主演した映画『淵に立つ』(深田晃司監督)が「“ある視点”部門」の審査員賞を受賞した。カンヌ初出品で受賞となった深田晃司監督(36)は、同映画祭で高い評価を受けた黒沢清監督(60)や是枝裕和監督(54)たちに次ぐ、新しい世代の監督として世界中から注目を集めている。深田監督は初受賞だが、主演の浅野はすでに海外の映画祭で受賞歴がある。2003年にはタイなど5か国の合作映画『地球で最後のふたり』に主演し、イタリアのヴェネツィア国際映画祭「コントロコレンテ部門」で、主演男優賞を受賞。2014年には主演作『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞している。

 海外の映画賞では監督の受賞に注目が集まりがちだが、浅野の他にも多くの俳優たちが海外の映画祭で受賞していて、古くは1961年に『用心棒』で三船敏郎(77没)がヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞するなど、昭和の名俳優たちが海外でも高く評価されていた。

 1990年代以降では、惜しくも2014年に亡くなった高倉健(83没)が、1999年に主演映画『鉄道員(ぽっぽや)』で、カナダのモントリオール世界映画祭の主演男優賞を受賞。1994年に『四十七人の刺客』でヴェネツィア国際映画祭に参加して以来、初めての海外での受賞で、発表者から「ケン タカクラ」の声が上がると、会場を埋め尽くした観客から割れんばかりの拍手が起こったそうだ。高倉はプレス向けFAXで「気をもってこの映画の製作に携わってこられた方々に心からの感謝を申し上げ、また喜びをわかち合いたいと思います。評価は謙虚に受け止め、明日への反省にしたいと思います。一所懸命な人たちと仕事をするのは悪くないなとしみじみと思っております。嬉しいです」とコメントしている。

 ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)などでの、破天荒なキャラの演技が好評な注目の若手俳優、柳楽優弥(26)は14歳のときに主演した『誰も知らない』が、2004年のカンヌ国際映画祭「コンペティション部門」で男優賞を史上最年少で受賞している。これを機に一躍有名になったが、受賞が大きなプレッシャーになってしまったのか、期待されて出演した映画やドラマでは不調が続き、いつの間にか露出は激減。役者として仕事がなかった頃は、居酒屋のバイトもしたという。酔っ払いの客に絡まれるなど、屈辱的な経験もあったが、2013年に出演したトーク番組で「俳優として経験を積んでいきたいっていうのは、バイトしているときに強く思ったこと」だと語り、そのことがここ数年の大復活につながっていたことを明かした。

 女優で受賞しているのは、2016年6月11日発売の雑誌『FRaU』(講談社)のロングインタビューで、結婚、出産、離婚、再婚など、赤裸々な過去を告白して話題になっている、広末涼子(35)だ。1999年の映画『秘密』で女子高生の娘の肉体に魂だけ乗り移った母という、難しい役柄を見事に演じ、スペインのシッチェス・カタルーニャ国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞している。

 またハイファッション系雑誌のモデルとしても活躍している、市川実日子(38)は2001年の映画『blue』で、モスクワ国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。また、ベテラン女優の大竹しのぶ(58)は、2003年に映画『ふくろう』で、モスクワ国際映画祭の最優秀主演女優賞を受賞。東北地方の山奥で餓死寸前の母娘が、生き延びるため連続殺人を計画するというパワフルな映画で、「怪演」とも表すべき演技が評価された。この作品は当時91歳だった新藤兼人監督のラブコールで主演が大竹しのぶに決まり、彼女のスケジュールに合わせて短期間で撮ったのだそうだ。

 最近では大泉洋(43)が今年4月に主演映画『アイアムアヒーロー』で、ベルギーのブリュッセル・ファンタスティック映画祭のグランプリにあたるゴールデン・レイブン賞を受賞。スペインのシッチェス、ポルトガルのポルトのファンタスティック映画祭でも観客賞などを受賞していて、世界3大ファンタスティック映画祭で受賞する快挙を達成した。

 近年、スポーツの世界で日本人の活躍が目立っているが、俳優陣も決して負けていないのだ。

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