過去10年の七夕賞で全馬の単複を均等買いした場合の回収率は、単勝が95%で複勝が93%。これは一般的な数値の75~80%よりも高く、それだけ七夕賞が荒れていることが分かる。七夕賞はハンデ戦なので斤量ももちろん作用しているのだが、それだけを理由にすると、ハンデ発表前に予想はできなくなってしまう。ここでは他のデータを基に予想を組み立て、レース直前にハンデも参照することにしたい。

 七夕賞が荒れている背景には、一見頼りになりそうな馬が頼りになっていないという事情もある。具体的には前走GI・GⅡ組で、あわせて過去10年〔1・4・1・37〕。この組の回収率は単10%・複32%なので、到底狙えるものではない。この組から1頭だけ、しぶしぶ△をつけるという感じだ。

 では、逆に前走条件戦組が軽ハンデを生かして激走しているかというと、そうでもない。そもそも最近では、出走権を得ることも容易ではなくなっている。結局のところ七夕賞は、前走GⅢ組とオープン特別組のうち、ファンが見落としている馬が好走して穴になっているということなのだ。では、なぜ見落とすのか。それは近走の成績やコース適性ではなく、展開が影響することが多いからだ。さらに、先行馬ばかり3頭や差し馬ばかり3頭ではなく、前と後ろから2+1頭のような形で決まることが多いので、3連単などはさらに取りづらくなる。

 では、今年は先行馬優勢、差し馬優勢、どちらでヤマを張ればよいだろうか? 個人的には逃げ・先行馬でシルシ上位を作り、ヒモに差し馬を混ぜるという形が良いと思う。というのも、最近は馬場管理が進んで開催が進んでもインが痛まず、昔のような外差し競馬になりにくいからだ。実際、震災後の七夕賞はすべて4角5番手以内の馬2頭+差し馬1頭という形で、3連複が構成されている。

 今回の想定馬では◎シャイニープリンスがここ2走、積極的な位置取りをしているので、今回も同様の競馬になると期待したい。もう1頭重視したいのが○ウインリバティ。こちらは、位置取り自体は間違いなく前寄りになるはず。牝馬重賞で負けてきたあとなので人気にはならないだろうが、今回は牡馬がいるといっても、それほど強くないメンバー。枠順や流れ次第で、なんとでもなる。

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