函館記念は、函館開催が短縮されたことや、巴賞とのレース間隔が変遷してきたことで予想が難しくなっている。ただ、ぼやいても解決はしないので、最近の結果からなんらかの傾向を導いていくしかないだろう。

 一つ気づくのは、複数回好走する馬は意外と少ない。北海道開催というと「洋芝巧者」「滞在が合う馬」からリピーターが来やすいというイメージになるが、実際にはそうでもない。函館記念というと3連覇のエリモハリアーの印象が強くなるが、同馬はあくまで例外だ。函館で行われた過去10回(2005年以降で、札幌での振替開催だった09年を除く)に複数回出走した馬は19頭いるが、複数回馬券に絡んだ馬はエリモハリアーの他にマヤノライジンしかいない。

 他に馬券に絡んだ馬は9頭いるが、これらは1回ずつ。他に、複数回出走しながら一度も馬券に絡めなかった馬が8頭だ。つまり、函館記念初登場で洋芝に適性のありそうな馬か、過去の函館記念で4着以下だったがまだ好走の余地がある馬を狙わねばいけないということになる。

 もう一つは、巴賞組の扱いだ。巴賞と函館記念の関係は、時期によって「巴賞の負け組が来る」「ほとんどこない」など傾向が変わってきた。ちなみに昨年は4頭が出走し3着以内なし。一昨年は3頭でやはりなし。3年前はアンコイルドが2着に来ているが同馬は巴賞8着。最近の巴賞組は「狙うなら負け組。狙わなくてもいい」という傾向にある。巴賞組を勝ってきた△レッドレイヴンは前述の事情から△の末席に。他の負け組が出走してきたら別途、より上の序列に置くことを検討したい。

 巴賞組がダメということは、本命候補は中距離GⅢ組ということになる。◎はマイネルミラノ。昨年の函館記念に出走し2番人気8着だったが、当時は巴賞勝ちから距離延長で臨む形だったうえに、逃げ馬なのに大外枠。陣営も当時自信を持っていたようなのだが、まったく力を発揮できずに終わってしまった。その後、新潟記念で僅差2着も経験してきているし、今年はエプソムCからのローテで来たので昨年とは事情が違う。先行力はこのコースにおいて武器になるし、極端な枠さえ引かなければ今度は好走できると見る。

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