夏の小倉競馬のフィナーレを飾るのは今年も「小倉2歳S」だ。芝6Fのスピード決戦である。

 昨年は中京でデビューしたシュウジが圧倒的な人気に応えた。近年の流れとして上げられる小倉デビュー組のレベル低下をはからずも露呈した形だが、今年は小倉デビュー馬が堂々と主役を努めそうだ。

 その馬こそはレーヌミノル。今年も2歳リーディングのトップを走るダイワメジャー産駒の牝馬だ。とにかく勝ちっぷりが素晴らしかった。道中は好位3番手の外で流れに乗り、4角で前との差を詰めると、直線入り口は鞍上が後ろを振り返る余裕。そのまま抜け出して2着馬に0秒3差。勝ちタイムも優秀だ。1分9秒3は新馬戦でのナンバーワン時計。一杯に追っていれば8秒台も可能な脚色だった。

 騎乗した浜中もこう絶賛する。「攻め馬でもいい動きをしていたが、レースもイメージどおり。将来性たっぷりの馬ですよ」。

 確かに、調教段階から動きは群を抜いていた。レース2週前追い切りはCWコースで5F66秒4の速い時計。上がり3Fも37秒5の鋭さ。併走馬を6馬身も千切っていた。

 さらに1週前追い切りでは同じCWコースで古馬1000万級に2秒2もの大差をつけた。6Fから追って上がり3F37秒2-11秒9は古馬オープンなみ。攻め馬の良さが、そのまま出たレースだったのである。

 もっとも、時計は出ていても、当日の下見所ではまだ緩さもある馬体。気持ちの乗りも一息だった。それでいての楽勝だから、素質の高さは際立っていた。中3週の日程は理想的だし、前走後の初時計はレース10日後の坂路。4F60秒2-2F28秒0の軽めだったが、450キロ台の馬体に締まりが出てきたのは好材料。気持ちも乗ってきた。鞍上は過去、このレースを3勝している浜中。“小倉男”が今年も夏の小倉を締めくくりそうだ。

 新潟競馬も今週がオーラス。芝2000メートルの「新潟記念」が日曜日のメインだ。

 サマー2000シリーズのタイトルもかかる戦いだが、期待度大はアルバートドックだ。今年3月に引退した松田博厩舎から須貝厩舎へ。転厩後の3戦は結果が出なかったが、厩舎の水にも慣れてきたのだろう。前走の七夕賞は本来の力が出た。中団から早めの仕掛けで4角4番手。直線も鋭く反応して、1F過ぎに勝負を決めていた。

 前走後はここ1本に目標を絞っての仕上げ。鞍上も夏競馬で重賞を勝ちまくっている戸崎だ。勢いあるコンビに期待は高まる。

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