SMAP中居正広の“心のより所”となった「3人の男」の画像
SMAP中居正広の“心のより所”となった「3人の男」の画像

 SMAP中居正広は、自他ともに認めるファザコンだ。また、地元の神奈川県藤沢市で、学生時代をともに過ごした友人たちを大切にしていることでも知られている。忙しさが落ち着いたときは、友達に会うために、よく帰省して一泊する。父の正志さんが健在だった頃は、帰省時に決まって行く居酒屋やゴルフ場を、ともに訪れたりもしていた。

 中居の父、正志さんが、がんで亡くなったのは2015年2月19日のことだ。喉頭がんの手術を繰り返し、声帯を切除した最期の数カ月は、飲まず、食わず、しゃべらずの闘病生活が続いた。80キロ近くあった体重は40キロ台に落ちてしまうほど、過酷なものだったという。

 そして父の死後、およそ3カ月後の5月28日、俳優の今井雅之が大腸がんのため、54歳の若さで逝去した。中居は今井と、1996年放送のドラマ『味いちもんめ』(テレビ朝日系)で初共演。顔合わせから数カ月間は、お互いのことを嫌いだった二人。演技でのつかみ合いも、本気でしていたほど仲が悪かった。しかし、あるとき、中居から話かけ、お互いに抱いていたイメージが変わる。その後、二人は20年にわたって親交を深め、たびたび朝まで飲み明かす仲となった。

 今井が病に侵されていることを知ったとき、真っ先に打ちあけたのも中居だった。「もうダメだと思う」、強気だった今井が、初めて弱音を吐いたという。今年5月の今井の命日には、彼が遺した脚本を基にした映画『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』が上映されたが、中居はこの映画に「ほぼノーギャラ」で友情出演している。

 中居にとって苦悩の連続だった2015年。この年、中居はもう1人の、今は亡き大先輩俳優にも思いを馳せていた。その俳優とは、08年に亡くなった緒形拳である。15年1月24日、およそ10年ぶりに主演SPドラマ『新ナニワ金融道』(フジテレビ系)が復活した。この単発ドラマシリーズは、中居主演で1996年にスタートしてから19年、全6作が制作された。前回から10年も間が空いたのは、初回からレギュラー出演していた緒形が、08年に逝去したからだ。

 最新作では、緒形は回想シーンに登場。緒方は生前、中居のことをとてもかわいがっていたそうで、「中居くんのことをきっと守ってくれるから、持っておいて」と、座布団に載ったパワーストーンをくれたそうだ。今回の撮影最終日には、それを置き、緒方をしのびつつ撮影に臨んだという。

 父親、今井、緒方、中居が慕う三人はこの世を去ったが、その思い出は今も変わらず、中居の心の中に生き続けているようだ。

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