ソーラー発電、パソコン設置、住宅リフォーム…悪徳業者「インチキ販売」の手口!の画像
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「おう、うちは今度から太陽光じゃけえの」 都内在住の会社員Aさんは、お盆に帰省した際、父親(68)にこう言われた。

 何かと思えば、「自家用太陽光発電のセールスが来て、月々の電気が自家で賄え、余った電気は売れるというので導入を決めた」とのこと。うさん臭く感じたAさんは、契約書の控えを確認してみて仰天した。

「年金暮らしの父に、80歳まで続く500万円のローンが組まれていたんです。月の返済額は約3.5万円。電気代の数倍ですが、“売電で月々の返済分以上に稼げる”と謳い、実質負担ゼロのようなイメージを打ち出していました」(Aさん)

 その試算に書かれていた売電価格は、ピークだった数年前の42円/キロワット時のもの。しかし、売電価格は毎年改定されるもので、今年は31円/キロワット時にまで下落しているのだ。

さらに、自宅に設置する太陽光パネルの大きさと数では、そもそも売電をするほどにも発電できず、完全自給さえ怪しいとも判明。「慌てて父を説得し、解約させました。業者に連絡するとサーファーふうのセールスマンが飛んできて“もうパネルを発注済みだから代金80万円は支払ってもらう”などと言ってきましたが、法的根拠を要求しながら交渉し、なんとか解約に持ち込めました」(前同)

 その後、なぜ、こんな業者に引っかかったかと聞いたAさんに、父親は「年金暮らしになり、老後資金が不安だった」と答えたという。

 こうした高齢者の将来の不安や日々の不便につけ込んだ悪質な商法が、今、世の中にはびこっているのだ。お盆過ぎには、パソコン販売大手の『PCデポ』が展開する高齢者向けのサービスが問題化した。

「パソコンの各種設定が苦手な人をサポートするものですが、月々約1万5000円と高額で、解約しようとした人が“技術料”“電子雑誌購読料”など、合計20万円以上の解除料を請求されるケースが発生しました」(ITライター)

 また、ここ数年は、悪徳リフォーム業者による被害も後を絶たない。「いきなり自宅を診断に訪れ、“この家は梁が傷んでいて、大地震がきたら倒壊します”などと言葉巧みに高齢者を脅し、必要のない工事で数百万円を巻き上げる。そして、引っかかった家には密かにシールなどの痕跡を残しておくんです」(消費者センター職員)

 しばらくすると、それを目印にまた仲間の業者が来て違う工事をし、多額の金を取る……という手口。「認知症気味の独居老人は、格好のカモです。何度も引っかかるし、この世代は“タンス預金”の人が多いため別居する家族がお金の移動を把握できず、後の祭りになりやすいんです」(前同)

 これらの被害は、決して他人事ではない。自分や親が引っかからないためには、どうすればいいのか?「押し切られて“即決”しないことです。友人や同僚に相談するなり、親なら自分に必ず連絡するよう言っておき、頭を冷やす時間を作るのが大事ですね」(同)

 世知辛いご時世、虎の子に群がる悪徳業者に騙されず生き抜きたいものだ。

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