G1の前哨戦が続く秋の阪神開催だが、今週の日曜日は秋華賞トライアル、ローズSが行われる。舞台は芝の2000メートル戦。最大の興味はジュエラーVSシンハライト。春のクラシックで鎬を削った2頭が、いきなり顔を合わせる。

 対戦成績は1勝1敗の五分。桜花賞トライアルのチューリップ賞をシンハライトが勝てば、本番の桜花賞はジュエラーの勝利。ともにハナ差の接戦で、それも頭の上げ下げの際どいタイミングだった。

 秋華賞をにらむ3度目の対決は、どうなるか。仕上がりでリードするのはシンハライトだ。桜花賞惜敗のあと、オークスでタイトルを奪取。夏場はノーザンファームしがらきでリフレッシュして、8月10日に帰厩。1週間後の17日に坂路で初時計、以後、1週1本のペースで時計を出している。これは春同様の調整で、31日には併走で55秒8の時計をマークした。レース週まで攻めペースを強めるはずで、1週前に良馬場基準で52秒前後の時計も出せるだろう。細身のタイプで馬体は大きくなった感じはないが、それでも腹構えは春よりもしっかりしている。勝って秋華賞に王手をかける。

 ジュエラーは桜花賞のあとに軽い骨折。オークスには出走できなかった。栗東への帰厩はシンハライトより遅く、初時計は8月25日。坂路で56秒1をマーク。1週後の31日にも53秒5で追われた。500キロ近い大型牝馬だけに攻めの内容はシンハライトより強めだが、馬体はまだ緩みを感じさせる。どこまで仕上げが進むのか。この前哨戦に関しては少し疑問を残した。

 一角崩しの候補にはデンコウアンジュを挙げたい。2歳時にアルテミスSで重賞勝ちしたが、その後は尻すぼみの成績。しかし、完全な力負けとは思えないフシがある。特に今年の3戦は不利の連続。桜花賞、オークスとも割って入るコースがなかった。

 夏場のリフレッシュで動きがさえるのは中間だ。ポリトラック、CWコースを併用してレース2週前時点で7本の攻め時計。実にキビキビした動きを披露している。立て直した効果で2強に割って入っていい。

 同じ日曜日、中山では菊花賞TR、セントライト記念が行われる。注目は皐月賞馬のディーマジェスティの出走。本番へ、どんな走りを見せるか興味津々だ。

 劣勢の関西馬だが、3連単のヒモ穴でノーブルマーズの粘り込みには注意。これまでハナを切れば[2・2・1・1]の好成績。しっかり乗り込み、仕上げも◎だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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