野菜と果物は「皮ごと食べる」と、10歳若返る!の画像
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 実りの秋到来――。ナス、サツマイモなどの秋野菜やブドウ、柿などの果物がおいしい季節になってきた。“初物七十五日”というように、初物を食べると寿命が75日延びるといわれる。健康のため、旬の食材をせっせと食べている読者も多いのではないだろうか。しかし、単に旬の食材を食べればいいというわけではない。栄養をより多く摂るためには、食べ方にちょっとしたコツがいるのだ。食品の健康効果に詳しい田村哲彦氏(タムラ薬局・代表薬剤師=薬学博士)が、こう解説する。

「野菜、果物は、皮に栄養素を豊富に含んでいるのです」 皮は硬いし、苦みもあるので、剥いて食べる方も多いだろうが、皮こそ食べなければならないという。「植物の皮には、太陽の紫外線や土壌の細菌から身を守るための成分が蓄積されています。これら成分には人の健康を促進して若返りをもたらすものが多いのです」(前同)

 ということで、今回は、秋の味覚を例に取って、“10歳若返る皮ごと健康法”を紹介しよう。まずは「嫁に食わすな」といわれる秋ナス。焼いてよし煮てよしで、皮ごと食べる人も多い。ナスの紫黒色の皮には、視覚機能を改善するアントシアニンが豊富に含まれている。その他にもクロロゲン酸、ナスニンなどのポリフェノール類が多く含まれ、これらには、動脈硬化やがん予防に効果があるのだ。

 ホクホクのジャガイモも今が旬だが、皮には、ビタミンや鉄、カリウムなどのミネラル類が中身より多く含まれている。「芽の部分に毒があると敬遠する人もいますが、包丁でくり抜けば、まったく問題ありません」(同)

 ブドウは中身だけ食べる人も多いだろうが、実は、中の実より皮に健康成分が詰まっている。巨峰などの黒い皮にはアントシアニンが豊富で、認知症の予防や血糖の安定に効果があるとされるレスベラトロールなどのポリフェノールも多い。田村氏も、「ブドウを食べる際は皮ごと口に入れて、皮を歯で噛み砕くようにしています。こうすることで皮の栄養分が摂れるからです」と言う。

 リンゴも皮を剥いて食べる人が多いが、むしろ皮にポリフェノールが多く含まれており、糖尿病などの生活習慣病やがんの予防効果がある。また、リンゴの皮には紫外線による肌のくすみやシミを防止する働きがあることも分かっている。「植物の皮に含まれる特有の苦みや渋み、色素などの成分は、人が食べると細胞の老化(酸化)を抑える抗酸化物質としても働きます。つまり、皮を食べると、肌や内臓、血液を若返らせることができるのです」(同)

 皮ごと食べるときの問題は、特有のえぐみや渋み、硬さがあることだ。「皮のえぐみやアクも、調理を工夫することで食べやすくなります。ニンジンの皮もキンピラにするとおいしく食べられますよ」(同) また、ミカンの皮を干して乾燥させたものは、漢方薬の「陳皮」。食欲不振や咳や痰の薬になるという。

 いいこと尽くしの皮ごと健康法。ぜひお試しあれ!

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