イチロー、前田健太、田中将大は高評価…日本人メジャーリーガー「現地通信簿」の画像
イチロー、前田健太、田中将大は高評価…日本人メジャーリーガー「現地通信簿」の画像

 マーリンズ・イチローが日米通算3000本安打という金字塔を達成したことが、日本では大きな話題となった今年のメジャーリーグ。だが、注目すべきはイチローだけではない。「今シーズンは好成績を挙げた日本人メジャーリーガーが非常に多かった。これほど好調ぞろいだった年はなかったんじゃないですかね」(スポーツ紙デスク)

 確かにイチローの活躍は、素晴らしいのひと言。3000本安打の偉業だけでなく、シーズンを通して143試合に出場し、規定打席には達しなかったものの、打.291、95安打と安定した数字を残した。大リーグ評論家の福島良一氏は言う。「年齢を考えれば、考えられない素晴らしい成績ですが、まだまだ力は衰えていない。球団は早くも契約延長を決めましたが、これだけ早く、43歳のプレーヤーへ延長の話が来ること自体、異例です」

 これは、マーリンズがイチローに対して、健康も体力も問題ないと判断している証拠だろう。他の選手を見てみると、今季の活躍といって思い浮かぶのが、ヤンキースの田中将大。14勝を挙げ、防御率はリーグ3位の3.07。最後までア・リーグの最優秀防御率争いに加わった。

「目標の200イニング登板には、あと1アウト届かない199回2/3でしたが、これは予定されていた登板をプレーオフ進出が絶望的になったことから回避したため。実質的には達成したと言っていいでしょう。サイ・ヤング賞争いにも最後まで残りましたし、満点の成績」(前同)

 田中以上の16勝を挙げた岩隈久志(マリナーズ)と前田健太(ドジャース)の2人も高く評価すべきだろう。「岩隈はチームの勝ち頭となり、チームの最優秀投手となりました。前田のメジャー新人投手トップの先発回数32、投球回数175回2/3、奪三振数179という働きは、本当に素晴らしいですね」(前同)

 近年低迷していたマリナーズは今シーズン、最後までワイルドカード争いに加わり、ドジャースはナ・リーグ西地区優勝。この2人が、チーム躍進の原動力であったことは間違いない。そんな中、微妙な結果に終わった選手や、不本意な成績だった選手もいる。

「レンジャーズのダルビッシュ有は右ひじの手術から復帰して7勝。レッドソックスの上原浩治も中継ぎ、クローザーとして三振の山を築きましたが、2人とも故障や違和感で、シーズンを通して活躍できなかったことがマイナス点ですね」(前出のスポーツ紙記者)

 終盤にマイナーへ降格されたRソックスの田澤純一や好不調の波が激しかったドジャースの青木宣親は、決していいシーズンだったとは言えないだろう。では、いったい誰が「一番」と言えるのだろうか。そこで福島氏は、意外な人物の名前を挙げた。

「カブスの川崎宗則です。成績だけをみれば、とても褒められたものではありませんが、昨年はブルージェイズ、今年はカブスで、2年連続地区優勝のメンバーに入っているというのがすごいです。しかも今シーズンはワールドチャンピオンですよ。どの選手も、チームが優勝するために頑張っているわけですから、これは評価できますね」

 ある意味、川崎が一番のラッキーボーイだったのかもしれない!?

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