大関・豪栄道「毎日の積み重ねの先に見えるのが、横綱」綱取りへの決意を語る!

 大相撲九州場所が11月13日、初日を迎えた。“1年納めの九州場所”における最大の注目は、先の秋場所、15戦全勝で初優勝を飾った大関・豪栄道の“綱取り”である。

 秋場所での優勝は、実に記録づくめだった。史上初のカド番での全勝、日本人としては横綱・貴乃花(現・貴乃花親方)以来20年ぶりとなる全勝、さらに、大阪府出身力士として、86年ぶりの優勝……など、幕内力士として12年目、30歳の遅咲きの花が、才能を一気に開花させた形になった。

 若乃花(3代目)以来の日本人横綱の誕生の期待が高まる中、秋巡業中の豪栄道を訪ね、その心中を直撃した。

――初優勝の後は、母校(埼玉栄高)のあるさいたま市、続いて出身地・寝屋川市でも優勝祝賀パレードが行われて、大盛況でしたね。

豪栄道(以下=豪) おかげさまで、パレードにはたくさんの人たちに来ていただいて、改めて「優勝したんだ!」という実感が湧いた感じでしたね。埼玉のパレードでは高校時代にお世話になった方たちの顔が見えてグッときましたし、その後、母校で後輩たちの前で挨拶して、さらに気持ちが引き締まりました。そして、大阪市での巡業の後に、地元に帰ってのパレード。大阪の独特のノリなんですかねぇ……。熱狂的な歓迎を受けて、オープンカーから沿道を見ても、どこに視線を合わせたらいいのか分からなかったくらいです(笑)。

――多くの人が待ち望んだ優勝だったと思います。実際、2年前に大関に昇進してからは、負け越しを4度経験するなど、成績にムラがある印象でした。優勝の前の場所で負け越し(7勝8敗)ながら、全勝優勝に結びついた要因は、どこにあるんでしょうか?

豪 一番よかったのは(自分の得意の)右を差して出ていくという相撲が多かったことですね。自分の相撲を取れると、自然に勝ち星が増えてくる。よく「苦しくなると投げに行く」とか、「引くクセを直せ」などと指摘されることがあるんですが、前に出る相撲が取れていたので、今回は、そういう悪い部分が目立たなかったのかもしれません。でも、振り返ると危ない相撲も多かったんですよ。そのときは「危ない」なんて思う余裕はなかったけれど……。先場所は、それだけ相撲に集中できていたということだと思います。

――心境の変化があったんでしょうか? 集中力を高めるために、何か特別なことをされているとか?

豪 特に、なんもしてないですよ。メンタルトレーニングとか、そういう先生についている関取も、中にはいるみたいですけど、自分は自然のままというタイプなので……(笑)。場所中は毎日“一番一番”という気持ちで臨んでいただけです。強いて言えば、これまでの経験が生きたのかもしれません。

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