今からおよそ１２年前、同世代のジャニーズタレントたちが出演したミュージカル『ウエストサイドストーリー』が上演された。メインキャストは嵐の松本潤、櫻井翔、大野智、そして他に風間俊介、生田斗真たちがいた。嵐の三人はすでにデビューしていたため、ここに旧友でもある風間と生田が加わるのというのは、ファンにとって貴重なステージだった。
ある日の稽古場で繰り広げられた面白いエピソードがある。１０代のジャニーズＪｒ.が新しい舞台に挑戦する際には、ジャニー喜多川社長が稽古場に足しげく通ってアドバイスをする。ジャニーさんはこの『ウエストサイドストーリー』の稽古場にもやってきて、風間に「風間のチコがいいんだよー」と声をかけたという。
しかし、風間の役名は「チノ」だった。ジャニーさんは会話中、ずっと「チコ」「チコ」と連発。その場には櫻井もおり、風間と櫻井は今さら指摘するほどのことでもないだろうとアイコンタクトを交わし、櫻井も「風間のチコはさぁ～」とジャニーさんに合わせて話していたそうだ。
二人とも「このままチコで押し切ろう」と思っていたところに、「あー、ジャニーさん、来てたんだー」と、ふらーっと現れたのが松本だった。ジャニーさんが「いやぁ、今、風間のチコの話してるんだよ」と言うと、松本は「チコってなんだよ。チノだから」と平然と返し、櫻井と風間が良かれと思ってごまかしていたことは、水の泡になった。結局、ジャニーさんに「なんでＹＯＵたち、言わないんだよ！」と、二人は叱られてしまったという。
櫻井翔は、当時を振り返り「正直者（松本）が牙をむいた瞬間だった」と語った。結果的にはジャニーさんに恥ずかしい思いをさせてしまったが、もともとは恥をかかせないようにと気を遣っての行動。二人の優しさがかいま見れるエピソードだ。
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