3歳馬サトノダイヤモンドが頂点へ。三冠を分け合った今年の3歳世代。“3強”の秋は少し明暗が分かれている。ダービー馬マカヒキは前哨戦を制したが、凱旋門賞で14着。皐月賞馬ディーマジェスティもセントライト記念を勝ったが、菊花賞4着、JCは13着に終わった。

 対して秋に飛躍を遂げたのが、春は無冠だったサトノダイヤモンド。神戸新聞杯勝ちのあと、菊花賞も文句なしの勝利だった。レース後は放牧を挟んだが、気配は抜群。脂が乗ってきたかのような充実ぶりだ。

 帰厩後、中1日で坂路55秒6の初時計。その4日後はCWで7F追い。併走馬を1秒6追走する形から馬なりで同入。6F81秒9-12秒0に、騎乗した西谷騎手も「ギアがまだ2段階ぐらいありそう」と絶賛した。

 たくましさを加えた馬体、それでいて動きは実にしなやか。威圧感も加わって、春より格段の進歩を遂げているのだ。レースまで1週2本の調教をこなす予定で、これなら菊花賞以上のパフォーマンスが可能。最強世代とされた今年の3歳馬の“エース”が2016年の競馬を締めくくる。

 強敵はキタサンブラック。JCはデビュー以来、最高のパフォーマンスだった。前哨戦のあと一気に攻めを強め、最高の仕上げで臨んでいた。さすがに前走ほどのデキは望めないが、力を出せる気配。今回も先行力に期待がかかるが、コースが中山に替わって、気になるのは、ゴールドアクターが今度こそ道中でプレッシャーをかける展開。後続に差し場を与える分、○評価に落ち着く。

 一発駆けが怖いのはヤマカツエース。今年は中山金杯のあと不調が続いたが、馬体が戻った前走で完全復活。中山コースも2戦2勝の巧者だ。★はサウンズオブアース。春より体調が整う秋シーズン。昨年2着馬の差し脚が不気味。ゴールドアクター、アドマイヤデウス、シュヴァルグランまでを押さえる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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