１月１０日、ミュージシャンの小室哲哉（５８）が『マツコの知らない世界』（ＴＢＳ系）に登場し、宇多田ヒカル（３３）のデビューに敗北感を覚えたことを語った。しかし実は９０年代に小室を震撼させていたのは、宇多田の楽曲だけではなかったようだ。
この日番組にゲストとして登場した小室は、「小室哲哉に引退を考えさせたアーティスト」として宇多田の名前を挙げた。宇多田のデビュー曲『Ａｕｔｏｍａｔｉｃ』について、ＰＶのセンスや宇多田がネイティブとして英語を身につけていること、歌詞が理解できなかったことなど、その当時に受けた衝撃を語った。そして「僕には『Ａｕｔｏｍａｔｉｃ』が出てこなかった」「これほどやられた感はない」と率直に敗北感を口にした。
だが、小室に敗北感を与えた楽曲は『Ａｕｔｏｍａｔｉｃ』だけではなかった。２０１５年４月に出演した『水曜歌謡祭』（フジテレビ系）で、小室は宇多田ヒカルについて「宇多田ヒカルちゃんのすごい難しいグルーヴ感。ヒカルちゃんが僕を終わらせたって感じですね」とコメント。９０年代の名曲を『Ａｕｔｏｍａｔｉｃ』も含めて５曲選出し、“僕を終わらせたアーティスト”としてそれぞれの楽曲から受けた挫折感を語っていた。
まず、Ｍｒ．Ｃｈｉｌｄｒｅｎ『Ｔｏｍｏｒｒｏｗ ｎｅｖｅｒ ｋｎｏｗｓ』には、「もうこれは負けてもいいやって感じ」と完全な敗北宣言。続いてＥｖｅｒｙ Ｌｉｔｔｌｅ Ｔｈｉｎｇの『Ｔｉｍｅ ｇｏｅｓ ｂｙ』には「暑苦しくない感じ。ｇｌｏｂｅじゃできないな」。ＳＭＡＰ『夜空ノムコウ』には、「ＳＭＡＰはほどよい距離感の曲をいつもうまいところに置いてくる」と理由を挙げ、スピッツ『ロビンソン』には「また小室四つ打ち？ みたいなときにスピッツのこの曲がふっと来たら、気持ちいいなって思うだろうなと、僕も思いましたから」と、それぞれＪ-ＰＯＰの名曲たちを褒め称えた。
「９０年代の小室といえば安室奈美恵（３９）や華原朋美（４２）、ｇｌｏｂｅ、ｔｒｆなど数々のアーティストを手がけ、ミリオンヒットを連発していた、まさに全盛期です。９６年のオリコンシングルチャートで１位から５位までを自身の曲で独占したという伝説も持っています。そんな小室が敗北を感じたと語るわけですから、宇多田たちの楽曲が当時いかに衝撃的だったか分かりますよね」（音楽誌ライター）
現在は病気療養中の妻・ＫＥＩＫＯを支える日々を送りつつ、音楽活動を行っている小室哲哉。他のアーティストへの敗北感を正直に語れてしまうところも、彼の非凡さの現われかもしれない。
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