重賞レースがない今週の京都競馬だが、注目馬がいるのは土曜日の若駒S。05年のディープインパクトを筆頭に、勝ち馬からG1馬が数多く生まれているレースだ。ここ10年を見てもアンライバルド、ヒルノダムールがいて、昨年はマカヒキ。その後、ダービーを制したのはまだ記憶に新しい。

 今年は角居厩舎のヴァナヘイムに期待したい。夏の小倉でデビュー勝ち。続く2戦はオープン特別、G3京都2歳Sで2着に敗れているが、たぶんに展開のアヤによる敗戦。能力の高さは疑いようがない。

 祖母がエアグルーヴで、母がディープ産駒のグルヴェイグ。奥手型が多い母系だが、父・キングカメハメハとの配合で完成度は低くない。年明けの4日にCWコースで大きく追走する形から6F85秒4-12秒1の時計をマーク。準備も整っているから楽しみだ。

 重賞が組まれているのは中京と中山。まず日曜中京の東海SはG2のダート戦。昨年暮れに行われたG1チャンピオンズCとそっくり同じ舞台だ。となれば昨年の勝ち馬で、チャンピオンズCでも3着に好走したアスカノロマンがV候補に上がるが、馬券的に狙ってみたいのはピオネロだ。

 アムールブリエ、アウォーディー、ラニの3兄弟などダート路線への転向を成功させてきた松永幹厩舎の所属馬で、ピオネロも昨夏の中京、白川郷Sで転向初戦を快勝した。続く2戦目の新潟、BSN賞でオープン特別を制したあと、10月阪神のG3シリウスSに挑戦。結果はクビ差の2着に敗れたが、ゴール前で勝ち馬に内から寄られる不利があった。クビ差押さえた3着馬は昨年暮れの東京大賞典を制したアポロケンタッキーだからレース価値も非常に高い。

 芝時代よりレースも器用だ。好位前後で競馬ができ、砂を被っても気にする素振りがない。間違いなくダート転向がプラスに出た。今回は芝時代から得意にする左回り。現実に同舞台の中京千八は経験済みで、ここ目標に仕上げも順調だ。

 昨年暮れに3本の時計を出したあと、年明けの4日にCWで6F追い。デビュー時が464キロで500キロ近くまで成長した馬体は力感にもあふれている。転向4戦目で早くも重賞タイトルをゲットだ。

 中山のAJCCは関西馬のリアファルに期待をかけたい。11か月のブランクがあった前走の金鯱賞は5着に敗れたが、太目を叩いてかなりの上積みが見込める。短期放牧のあと1月7日に坂路54秒0を馬なり。素軽い動きが目を引いた。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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