根岸Sの過去10年を振り返ると、いくつかのポイントが浮かび上がってくる。1つは、若い馬が強いということ。4歳馬が絶対的に強いわけではないが、4、5歳馬と6歳馬の比較では前者がかなり上。少なくとも高齢馬ばかりのボックス馬券は買いたくない。

 2番目は、差しタイプが強いということ。東京コースのイメージに合う傾向だ。年によっては前残りもあるが、他の競馬場で、このくらいの距離というと先行有利のケースも多いはず。そこで差し届かず、ここで届いてくるような馬が予想だ。

 3番目は、前走重賞組が強いということ。前走オープン特別組の場合、最低でも3着以内から来ないと苦しい。ダートの短距離はレースによって、オープン特別から重賞への壁が高いことも低いこともあるが、ここはやや高いと考えておきたい。

 最後に、これが最も大事なのだが、距離短縮組が強く、距離延長組(たいていは前走1200メートル)は苦しいということ。過去10年の距離延長組は[1・4・2・59]で、回収率は単6%・複47%しかない。距離短縮組は[6・1・4・28]で単201%・複131%。2ケタ人気で馬券に絡んだ馬も10年で4頭いるので、このタイプには注意したい。

 以上の傾向から、まず推したいのが◎カフジテイクだ。明け5歳だし、前走は重賞どころかG1のチャンピオンズC。そこを追い込みきれず4着だが、もちろん上々の内容。武蔵野S→チャンピオンズCと使われて、今回は距離短縮。しかも、もともとは1400メートルを得意としていた馬である。前述した条件をよく満たす。

 6歳馬だが○キングズガードも武蔵野Sからの距離短縮組。差しタイプだし、もともと1400メートル巧者。4着だった武蔵野Sより根岸Sのほうが条件的には向くはずだ。

 年齢くらいしか強調材料を満たさないが、勢いのある4歳馬▲ベストマッチョもマークが必要だ。2015年のバレッツマーチセールで取引された馬。セール時の調教供覧では、10秒を切るタイムを出したスピードタイプだ。ご存じの通り、馬場オーナーの外国産馬2歳セール組というのは、ノーザンファームが驚異的なスカウト能力を発揮して、これまでもG1級を出している。この馬もそれに続く可能性のある素材だ。

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