スプリングSと弥生賞はともにG2であり皐月賞トライアル。しかし両者の傾向はけっこう異なっている。

 弥生賞は前走オープン1着馬が強いレースで、今年も京都2歳Sの優勝馬カデナが制した。またスローペースにもなりやすいレースで、今年は特にその傾向が強く、持続力型の馬は総崩れとなってしまった。

 一方でスプリングSは前走500万条件組でも[3・3・4・33]とそれなりに馬券に絡めるレースだし、前走オープンで2~3着に惜敗してきた馬が[5・1・2・12]と、前走オープン1着馬の[2・4・4・15]とほぼ同じレベルの走りをしている。

 もうひとつスプリングSの特徴として、スローペースになりづらいことが挙げられる。もちろん絶対というわけではなく、一昨年などはかなりのスローだった。しかし昨年や14年、アリゼオが勝った10年のようにラップの抑揚が小さい年が目立ち、その分「流行の血統」以外が台頭する余地がある。

 阪神で行われた11年も含めて過去10年、勝ち馬の父はすべてバラバラ。オペラハウスやローエングリン、タニノギムレット、シンボリクリスエスとふだんはサンデーサイレンス系の切れ味に泣かされているような種牡馬の名前もあり、持続力型重視でいきたいところだ。

 ◎は共同通信杯2着のエトルディーニュ。父はSS系のエイシンサンディだが母の父オペラハウス。これまではすべて先行して残すタイプの競馬で、レースの上がり3ハロンタイムベスト3に入ったことは1回しかない(新馬戦で3位)。決め手のなさを位置取りでカバーしてきた。

 ここまで9戦すべて5着以内をキープしている一方で、1着は未勝利戦の1回のみ。ここも勝ち切るイメージは湧かないが、○や▲と絡めて3連複や3連単マルチの軸にするのには向いている。

 ○は、その◎をひいらぎ賞で負かしているアウトライアーズ。これもSS系とはいえヴィクトワールピサ産駒、さらに母の父クロフネで持続力タイプなのは明らか。後ろから競馬をする分、外を回ったり進路をなくしたりのリスクはあるが、能力は高い。

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