有力馬の引退、故障で全体のレベルが下がった印象がある今年の高松宮記念。クローズアップすべきは明け4歳馬だ。馬券はシュウジ-ソルヴェイグが本線。

 世代レベルの高さは昨年の実績が証明する。2つあった北海道シリーズのスプリント重賞は、ともに3歳馬の勝利。過去10年で、こんな例は一度としてなかった。それも、函館SSでは古馬との初対戦でワンツーまで決めている。

 秋のG1スプリンターズSでも3歳馬は健闘する。ソルヴェイグが3着、シュウジも4着に食い込んだ。着差も勝ち馬からアタマ、クビ、クビの接戦。3歳馬が馬券に絡んだのも、実に10年ぶりのことだった。そのシュウジがG2阪神Cを制したのは、昨年暮れ。これは、今年のスプリントG1で、明け4歳馬を抜擢する根拠である。

 ◎シュウジは前哨戦の阪急杯で8着に敗れたが、敗因はあまりにも明白。いつになくイレ込みがきつく、レースでも前半から掛かった。これがハイペースにつながり、差し馬の展開になった。冬場の休み明け出走の難しさだが、これでガス抜きはできた。レース11日目には早くも併走で追えるほど立ち直りが早く、坂路52秒3-12秒0の時計が出せたほど。阪神Cで7Fをこなしたが、もちろんベストは6F。デビュー2連勝の地、中京で一変の競馬を期待だ。

 ○ソルヴェイグも休み明けの前哨戦で6着に沈んだ。当時の体重はデビュー以来最高の478キロ。見た目にも体が立派だった。明らかにG1に向けての叩き台だったか。3月5日に坂路初時計。8日には54秒0をマークし、気配ははっきり上がっている。昨秋のスプリンターズSでは直線で狭い内に押し込まれる不利があって3着。スムーズならVチャンスまであった。鞍上が当時の田辺だから、雪辱劇に期待。

 4歳2頭に迫るなら決め手ある▲メラグラーナ。まだ上積みがある中間気配だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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