『ONE PIECE』尾田栄一郎氏が放った「珠玉の名言」の画像
『ONE PIECE』尾田栄一郎氏が放った「珠玉の名言」の画像

 今や知らない人はいないほどの国民的漫画『ONE PIECE』(集英社)。コミックスの累計発行部数は3億部を超え、2015年には「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されている。そんな名作を生み出した漫画界の巨人・尾田栄一郎氏(42)は、作品内だけでなく、作者自身からも数々のメッセージを発信。多くの人々の心を揺さぶってきたことをご存じだろうか。

 その最初のメッセージは『ONE PIECE』第1巻にある。折り返しに掲載された作者コメントによると、尾田氏は海賊漫画を描くにあたって、さまざまな資料を収集。しかし、自分が子どもの頃に憧れていた海賊の姿は、記録の中に残されてはいなかったという。それに対し、尾田氏は「どうやら、自分達の冒険があまりに楽しすぎて、後世に名を残す事を忘れてしまったらしい。まったく海賊って人種は、これだから困る」という言葉をつづっている。少年漫画の作者らしい、実にロマンに満ちた表現だ。

 また、尾田氏が新人漫画賞に寄せた言葉も興味深い。「大人はよく一番好きな事は仕事にせず、趣味にした方がいいなんていいますよ。教えます。アレはウソなんです。ずっと好きな事した方が楽しいに決まってます」というメッセージだ。これは尾田氏自身が夢を実現させて、一番好きだったことを仕事にし、そして今なお“楽しんで漫画を描いている”という証でもある。デビューを夢見る新人漫画家ならずとも、心に響く言葉ではないだろうか。

 尾田氏は、2016年に発生した熊本地震のときにも、心に響く言葉を残している。熊本出身の尾田氏は、震災発生後、すぐさま被災者に対して直筆の応援メッセージを公開。その中で尾田氏は「人間が気を張れる時間って限界があります。その糸が切れる前に何とか心が落ちつける状態になってほしいです」と、被災者に言葉をかけた。そして「大人は子供達を不安にさせない様に必死です。子供達に、1番に笑ってほしい! そしたら大人は頑張れるんだ!!」ともコメント。「大人は子どもを活力にして動く」という、実に“尾田氏らしい”思いが込められた言葉だった。

「人をつなぐことが、僕が漫画を描くことの意味」だと語る尾田栄一郎氏。多くの人の心を打つ“力強いメッセージ”を発信できる尾田氏だからこそ、『ONE PIECE』という国民的漫画を生み出せたのだろう。

本日の新着記事を読む