距離よし、舞台よし。主役はアドマイヤミヤビだ。桜花賞は、3角17番手の最後方から12着に詰めただけ。まったくの凡走に終わった。マイル重賞を勝ってはいるが、世代トップとこの距離で戦うのは初めて。速い流れで追走に戸惑った。加えて当日は重い馬場での競馬。余計に追走に苦しみ、自慢の末脚も殺された。陣営が言うように、本質は桜よりオークス向き。2戦2勝の東京コースで、2400メートルの距離なら負けられない戦いだろう。

 この中間は桜花賞のダメージがなく、気配はすこぶるいい。馬体はキリッと引き締まり、動きも実に軽くて伸びやか。4月30日の坂路56秒1が初時計で、5月4日にはWコースで7Fの長めから行き出し、6F84秒4をマークした。

 所属の友道厩舎はマカヒキで昨年のダービーを制しているが、中・長距離馬が多く、長丁場の仕上げはお手のもの。1週前はおそらくWコースで併走追い。これで息を作り、直前は坂路で瞬発力を磨く調整だろう。攻め過程に違和感がなければ、今度こそ実力をフル発揮。一冠奪取は難しくない。

 強敵は、やはりソウルスターリング。桜花賞は3着に終わったが、重い馬場に同馬も苦しんだ。フットワークが乱れ、むしろ3着によく差してきたというレース。能力は相当に高い。短期放牧のあと、調整はいつものように入念。ただ、距離適性の差で○とした。

 ▲はミスパンテール。桜花賞はブービーの16着に終わったが、この時期の3歳牝馬だ。7か月のブランクがあったチューリップ賞で2着好走の反動が出たと解釈したい。速い追い切り1本で楽勝したデビュー戦といい、キャリア1走で2着した2走前といい、素質の高さでは負けていない。坂路オンリーからコース追いに切り替えた中間調整も魅力で、一発駆けの可能性は秘めている。

 ★はリスグラシュー。ホウオウパフューム、モズカッチャン、ブラックスビーチが△。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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