皐月賞でワンツーを決めた池江厩舎がダービーでも主役だ。ただし、期待は◎サトノアーサー。皐月賞コンビを凌駕する良駿だ。

 アーサーはセレクトセールで1億9500万円(税抜き)で取り引きされたディープインパクト産駒。陣営の期待の高さは、デビュー時からダービーを目標にしてきたことでも分かる。戦績は4戦[2・2・0・0]。敗れたのは雨で極悪馬場と化したきさらぎ賞と、レース上がりを1秒1上回る末脚でも届かなかった毎日杯だけだ。

 敗れたレースでも重賞2着で賞金加算に成功しているが、そういえばデビュー戦も、とても届かない位置から1着同着に持ち込んだ。“持っている”競走馬の側面もある。武器はディープインパクト産駒らしい切れる末脚。2勝目を挙げたシクラメン賞では32秒7の強烈な末脚で差し切った。

 問題は毎日杯からのダービー挑戦か。2か月もレースが開く異例の日程。過去10年で、こんな日程で勝った馬はいない。しかし、デビュー4戦はほとんど2か月間隔で使われており、これは予定された行動。ブランクは気持ちを込めたハードトレでカバーしている。

 4月23日の坂路初時計から、2週前追い切りの5月11日まで坂路2本、W追い2本の攻める調教。特に11日は7Fから併走で追われ、ラスト1Fは11秒4で上がってきた。過去4戦で見られなかった仕上げであり、これぞダービー仕様。470キロ台の馬体もキリリと引き締まり、末脚の破壊力が増すことだろう。

 ○は青葉賞勝ちのアドミラブル。勝ち時計はレースレコードで昨年のダービーより0秒4も速かった。今季4走目で中3週続きの日程。いくらかフレッシュさを欠くが、能力の高さに期待した。

 ▲スワーヴリチャードは府中コースなら能力フル発揮。★アルアインは底力があり皐月賞勝ちをフロック視できない。カデナ、ペルシアンナイト、レイデオロ、ダイワキャグニーまでが△。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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