今週から函館競馬が開幕する。日曜日には24回目を迎えるG3函館スプリントSが組まれている。昨年は過去に例がなかった3歳馬のワンツー。ソルヴェイグ→シュウジで決着した。6月に施行時期が変わり3歳馬の斤量が古馬より4キロも軽くなったことが勝因に挙げられるが、この世代の相対的な強さもあったのだと思う。

 今年はそんな強い4歳世代からシュウジに注目している。昨年は函館スプリントS2着のあと、8月の札幌、キーンランドSで2着。秋のG1スプリンターズSも0秒1差の4着に健闘した。そして一息入れた12月のG2阪神Cではイスラボニータをアタマ差抑えて、2歳時以来の重賞タイトルをゲットした。

 スプリント路線の主役として大いに期待された今年の4歳シーズンだが、これが誤算の連続。2月の阪急杯で8着に敗れると、続くG1高松宮記念では15着の大敗に終わった。陣営の敗因分析は「キンシャサノキセキ産駒の悪い面が出てきたかな。テンションが上がって、2度とも前半で制御が利かなかった」。2走前は下見所から気負いが目立ち、レースでも前半、鞍上が抑えこむと激しく引っ掛かっていた。

 高松宮記念も好スタートを切り2番手につけたが、前半3Fが33秒7のハイペース。自らペースを上げたのだから自滅に近い形。雨で馬場が悪化していたからよりスタミナ面に影響した。もう一つ、今年の2走はともに当日輸送の競馬。よりテンションを高める原因になっていたように思う。

 リセットして臨む函館戦は当日に輸送がない滞在競馬。栗東トレセンでの準備も整ってきた。5月11日に坂路57秒5の初時計を出し、1週後の18日には54秒5。さらに25日に、52秒4と調教を強め、2週前追い切りの6月1日には併走で51秒9-11秒9の猛時計が出た。これだけ追えるのは落ち着きがある証拠。たくましさのある馬体も魅力で、洋芝コースも得意だ。完全復活の場になるとみた。

 相手は今年の高松宮記念を制したセイウンコウセイだが、昨夏のキーンランドCを制した洋芝巧者のブランボヌールも不気味な存在。斤量が恵まれる3歳馬、レヴァンテライオンは昨夏の函館2歳チャンピオンだ。同馬にもマークが必要だろう。

 同じ日曜日、東京ではユニコーンSが行われる。G1NHKマイルC2着のリエノテソーロが、より能力を活かせるダートなら不動の中心だが、抽選突破なら関西馬のサヴィに穴の魅力。デビュー2連勝でまだ底を見せていない。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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