同一年度の大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念の3レースをすべて勝てば、2億円のボーナスが与えられる今年。今のキタサンブラックなら簡単に達成しそうだ。これまで同馬が連対を外したレースは4回。そのうち3回で共通するのが前半の入りが3F36秒を切ったときだ。35秒5で2番手を追走した皐月賞(3着)、同じ2番手から35秒7で入ったダービー(14着)。昨年の宝塚記念(3着)も34秒7でハナに立っていた。

 あえて死角を探せば、この点になるが、今年はどう見ても、そんなペースになりそうもない。11頭の登録馬の中に同型がいないし、ファン注目のG1とあって無謀な競りかけをするジョッキーもいないだろう。ゲートオープンで無理なくハナに立って、あとは瞬発力勝負にならないペースでの逃げ。持久力勝負に持ち込んで、またまた逃げ込むシーンが濃厚だ。

 体調面も素晴らしい。短期放牧を挟んで完全リフレッシュ。調教への入りも、とてもスムーズだった。レース2週前時点で水曜、土曜と週2本の追い切りを2週連続でこなし、7日の水曜日にはCWで6F80秒8の速い時計も出た。楽に走り切る姿は前走の天皇賞・春のときよりも動きが素軽いぐらいだ。馬券は相手探しに絞られる。

 相手本線で狙いたいのがシャケトラだ。初のG1挑戦だった天皇賞・春は出遅れたあと、位置を取りに出るとかかってしまう大誤算。惨敗もありうる展開だったが、1秒2差で踏みとどまった。距離的には、今回の2200メートルが向くタイプで、阪神コースは3戦3勝と得意にする舞台。さえた動きの2週前追い切りから前走のダメージもない。鞍上がルメールに替わるのも魅力。

 ミッキークイーンの巻き返しにも期待したい。前走の敗因は左回り。距離延長も歓迎だし、阪神も[3・3・0・0]と得意とするコースだ。距離短縮に?がつくシュヴァルグランは△に下げ、★はミッキーロケットに。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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