北朝鮮「悪夢の人体実験」戦慄の実態の画像
北朝鮮「悪夢の人体実験」戦慄の実態の画像

「なぜ、あの状態で解放したのか……理解不能です」 全国紙外信部記者が首をかしげるのは、昨年に北朝鮮で拘束され、1年5か月経った6月13日に解放された米国人大学生のことだ。

「解放時、大学生は脳が損傷し、覚醒しているのに、どんな刺激にも反応しない状態。一時的な症状ではなく、昨年3月からのようです。結局、19日に米国で死亡しました」(前同)

 これを受け、トランプ大統領は北朝鮮を「残忍な政権」と非難。関係悪化は必至の情勢だ。件の大学生は北朝鮮を観光中、朝鮮労働党のスローガンが書かれた垂れ幕を剥がしたかどで拘束された。

「勾留が長くなったのは、オバマ政権が経済制裁の解除を求める北の“人質外交”に乗らなかったから。トランプ政権成立後の米朝交渉で、一人だけの帰還が実現したのですが、この状態で帰したのは失敗ですね」(ジャーナリストの辺真一氏)

 大学生は勾留後、すぐ“廃人状態”になったという。「拷問を受けたといわれていましたが、目立った外傷はなし。“なんらかの投薬が行われた”という話もあり、人体実験に使われたのでは……との見方もあります」(前出の外信部記者)

 人体実験とは、なんとも恐ろしい話だが、本当にそんなことがあったのか? 北朝鮮情勢に詳しく、毒物劇物取扱者の資格も持つ国際政治評論家の井野誠一氏は、こう分析する。「この大学生はやや精神的に不安定で、北朝鮮も扱いに困り、鎮静剤や複数の自白剤を投与したといいます。それが継続的かつ量が多かったため、こうなってしまったとか。電気ショック療法を行ったとの情報もありますが、外交カードに使うため、ある時期まで治療を試みていたようです」

 では、北朝鮮で人体実験は行われていないのか? 「実験自体は存在します。政治犯、収容所での病気やケガで働けなくなった者、スパイ容疑をかけられた者などが対象です。対象者は軍の秘密病院や化学研究所、そして金ファミリーの健康のための“長寿研究所”などに連れて行かれ、薬物や細菌を投与されるのです」(井野氏)

 しかも、この実験には北朝鮮の“国家プロジェクト”という側面もあるという。「人体実験で得られるデータは、生物化学兵器の開発や、一般薬品や肥料などの開発に活用されます。北朝鮮は、これを外国やテロ組織に売りさばいて外貨を得ているんです」(前同)

 つまり、被験者はある意味、北の産業発展に多大な貢献をしているという。「そのため、“偉大なる指導者に身を捧げよ”と被験者を募る場合もあります。実験内容は知らされず、多くは死亡するか障害が残るんですが……」(同)

 さらに、こんな所業も。「中国の組織からの“注文”を受けて、薬物で被験者を脳死状態にし、臓器を取り出して売ることも。北朝鮮のビジネスの暗部を大いに支えているのが、人体実験なんですよ」(同)

 許しがたい独裁国家の蛮行。100人以上ともいわれる日本人拉致被害者の安否が気になるところだ。

本日の新着記事を読む