先週のG3中京記念は、薮中が本命◎にしたステイゴールド産駒ウインガニオンが勝ち、対抗の○ブラックムーンが3着(3連単の配当2万2780円)。絶好調の薮中泰人、今週の狙い目は――!?

 今週から札幌、新潟、小倉へと舞台が変わる。本格的な夏競馬の到来だが、重賞が組まれているのは新潟と札幌。まず新潟は直線1000メートルで争われるアイビスサマーダッシュだ。昨年の勝ち馬はベルカント。Mデムーロとのコンビで見事、2連覇を決めた。ベルカントはスプリントG1に出ても一定の評価を受けていた実績馬。12年のパドトロワ、13年のハクサンムーンがそうだったように、このクラスの強豪が出てくれば、やはり格の違いが出る。

 逆に、そうしたクラスの出走馬がいないときはどうか。主役に浮上するのは、やはり直線1000メートルに適性があるタイプだ。11年のエーシンヴァーゴウ、14年のセイコーライコウなどが例として挙がるだろう。これが前10年を振り返っての大まかな流れだが、今年はどうやら後者のパターン。

 主役はネロだ。直線競馬に初参加したのは4歳の春だが、いきなり準オープンを勝ち上がった。これを含めて5戦の成績は[2・3・0・0]のオール連対。昨年はベルカントにアタマ差まで迫っていた。今年のメンバーなら優位に立てる実績である。

 問題は昨年よりブランクが長いことだ。休養期間が昨年の2か月から半年に延びた。鉄砲が利くタイプに属するが、これだけ長いのはデビュー以来でも初めてだ。しかし、陣営は手を打ってきた。中間の乗り込み量の多さはどうだ。

 初時計が5月7日で、以後に積み上げた坂路追いはレース2週前時点で実に15本。6月22日に51秒2の速い時計を出し、30日にも51秒4。7月に入って12日に51秒1、16日には49秒0の猛時計も飛び出している。もともと坂路で時計が出るタイプだが、これだけハードに追えているのだから問題はないだろう。

 むしろ、昨年2着の雪辱へ、気持ちをこめた調整ともとらえられる。夏場にも勝ち実績があり、馬体も週を追って引き締まってきた。直線1000メートル競馬での強さを見せつけそうだ。

 一発があるならアクティブミノル。しばらくスランプに見舞われていたが、初めてブリンカーを装着し、逃げる競馬にこだわった前走のCBC賞が見せ場十分の3着。やはり逃げてこそのタイプだ。前半の2Fを22秒5で逃げており、新潟の1000メートルなら22秒前後でのハナも可能。一気の逃げ切りを警戒したい。

 札幌の芝1800m戦・クイーンステークスは、ステイゴールド産駒のアドマイヤリードだ。春にG1を勝ち、完全に本格化している。ここ目標に乗り込み、調整は順調。爆発的な末脚に期待がかかる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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