今週の注目レースは新潟の関屋記念。サマーマイルシリーズの第2戦だ。シリーズ第1戦の中京記念は当欄で主役に指名したウインガニオンが制した。2番手からの競馬になったが、直線入り口で先頭に立つと、そのまま押し切る完勝劇だ。これで6~8月期は8戦して7勝。これぞ夏馬を証明するレースでもあった。

 ウインガニオンが第2戦を制すれば、マイルシリーズのチャンピオンが早くも確定するが、しかし、気になるデータがある。それは中京記念の上位馬が関屋記念でことごとく凡走している事実だ。マイルシリーズが始まった12年からの5年間で1着馬は、不・10・不・11・不。2着馬は、不・11・8・4・11着。3着馬も、不・不・12・不・9着(不は不出走)と、上位1~3着馬は関屋記念で、まだ1頭たりとも馬券に絡んでいないのだ。

 考えられる敗因は同じ左回りコースでも、新潟の関屋記念は平坦コースで勝ち時計が速くなること。中京記念は1分33秒を切る決着はないが、関屋記念は32秒台が普通。31秒台の決着も2回あった。一気のスピードアップに対処できていないのだ。

 もう一つ、暑い夏場で中2週の日程が堪えているフシもある。不出走馬が多いのも無理使いを避けたためだろう。今年のウインガニオンは驚くほど夏場に強いタイプだから馬券は少し押さえたいが、相手も強化されるメンバーであり軸馬にはしたくない。

 その一方で、同じ中京記念組でも上位に食い込む馬もいる。中京記念を叩き台にして体調アップを可能にしたタイプだ。12年のエーシンリターンズは12着から2着。14年の勝ち馬クラレントは8着からの変わり身。15年の勝ち馬レッドアリオンも8着から一変した。

 今年、そんな期待をかけたいのがダノンリバティだ。前走は3か月ぶりの実戦。直前の坂路で50秒5と動いていたが、当日の馬体を見ると、まだ緩さが残っていた。4角12番手から5着まで追い上げるのが精一杯だった。ここらが久々の影響なのだろう。テッポウ使いは[0・2・0・5]がこれまでの実績。本来は2走目に急変するタイプで[2・1・0・2]の成績を残す。昨年も中京記念5着から関屋記念ではクビ差2着の接戦。1分31秒8で走った。本来は好位から競馬ができるタイプであり、体が締まる2走目だ。今年こそ決める。

 同じ日、札幌ではエルムSが行われる。目下3連勝、完全に本格化しているのがテイエムジンソク。再度の圧勝劇も十分だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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