連続テレビ小説『ひよっこ』伊藤沙莉と佐久間由衣の因縁の演技合戦!の画像
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 8月24日放送の『SONGS』(NHK)に、歌手の桑田佳祐(61)が出演。谷田部みね子(有村架純/24)ら乙女寮の面々と、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』の主題歌である『若い広場』を熱唱した。このメンツのまま『NHK紅白歌合戦』出場もあるなあ、と早くも年末に思いをはせてしまったが、この乙女寮メンバー以外にも『ひよっこ』には気になる若手女優が出演している。それは8月26日の放送回で、歌って踊って涙まで見せた、米屋の娘、さおりを演じる伊藤沙莉(23)だ。

 まずはその回のあらすじを振り返ろう。流行のミニスカートを身にまとった時子(佐久間由衣/22)は、アルバイトのついでに三男(泉澤祐希/24)が働く日本橋の安部米店に寄ることをみね子に告げる。その安部米店では、さおりもミニスカート姿で機嫌よく歌を歌い、三男の帰りを待っていた。さおりは「三男くんのことが好きなんだから」と三男に気持ちを伝えたが、三男は「時子が夢を叶えるまで、片想いしてなきゃいけないんです」と時子への想いを熱く語る。さおりは涙目になりながらも、三男を晩ごはんへ誘い、最後は笑顔になった。この二人のやりとりを米店の玄関口で見ていた時子は、米店を後にする。三男の言葉に心を打たれ、決意を胸にあかね荘へと戻るのだった。

 三男に想いを寄せる積極的な女性として、これまでもさおりは喫茶店、公園などでストーキングっぽい行為に及んでいたが、最近ではストレートにその想いを伝えることが多くなってきた。この回でその三角関係の構図がよりハッキリしたが、さおり役の伊藤沙莉の芝居が、実に面白い。感情的なセリフも多く、そのアクセルの踏みどころ、強弱のつけ方が見事なのだ。自身の本名“米子”を“さおり”に勝手に改名したり、米屋なのにパン派という、ちょっと変わった自分大好き女子、さおりを見事に熱演しているのだ。

 今回『ひよっこ』で伊藤の顔を見て、ピンときた人も多いはず。彼女は2005年『女王の教室』(日本テレビ系)で子役ながら注目され、14年放送の『GTO』第2期(フジテレビ系)でも、その演技力の高さが話題になった。この2作はどちらもいじめっこ役だったが、15年放送の『TRANSIT GIRLS』(フジテレビ系)では、義理の姉に恋する高校生という難しい役で新境地を開拓した。

『ひよっこ』での登場回数こそ少ないが、伊藤の23歳とは思えない、ベテラン女優のような大物感には毎度驚かされる。他の同世代のキャストが爽やかでかれんな芝居を見せる中、伊藤のあくの強い演技はまさに異彩を放っている。若手女優らしからぬ存在感が、ドラマにアクセントを与えているのだ。

 実は前述の『TRANSIT GIRLS』で、伊藤の恋の相手だったのが、『ひよっこ』での恋敵、時子だ。2年ぶりの共演となる二人の演技合戦は、これからも見ものだろう。もちろん、三男との三角関係も気になる! 朝ドラには珍しく今回は結婚式が描かれていないから、米屋での結婚式シーンも見てみたいなあ。三男には悪いが、あの粘着質で押しの強いさおりの姿を見ると、彼女の恋を応援したくなってしまうのだ。

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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