先週のG2セントウルステークスは、薮中の推奨馬ファインニードルが勝利(3連単の配当は3万6810円)。G3京成杯オータムハンデはダノンリバティが3着(3連単6万8880円)だった。今週は、阪神競馬場で芝1800メートルのG2ローズステークス、中山競馬場で芝2200メートルのG2セントライト記念が行われる。薮中泰人の狙いどころは――!?

■東西でG1戦のトライアルレースが開催!

 秋競馬の2週目は東西で秋G1の前哨戦が行われる。なお、今週は3日間開催。秋華賞TRのローズSは9月17日の日曜日。菊花賞TRのセントライト記念は祝日の18日に行われる。

■秋華賞TRのローズSで最も魅力的なのはミリッサ

 まず、阪神のローズSは主力クラスが数多く出走する。オークス馬のソウルスターリングこそ毎日王冠から天皇賞への路線に向かうが、桜花賞1、2、4着のレーヌミノル、リスグラシュー、カラクレナイに、オークス2着馬のモズカッチャンがスタンバイ。さらにはデビュー3連勝で春は牡馬の皐月賞に挑戦したファンディーナも出走予定だ。

 さて、秋初戦とあってポイントは仕上げに尽きるが、馬体の良さが目立つのはレーヌミノル。ひと回り大きくなり、たくましくなった。レース2週前段階で速い追い切りも3本消化している。仕上げは一番と断言できるのだが、問題はやっぱり距離だ。コーナーを4つ回る阪神千八。桜花賞でマイルをこなしたが、渋めの馬場が味方した感があり、本質はスプリンターだろう。時計が掛かったときの押さえでいいと思う。

 仕上げが少し遅れているのはリスグラシュー、カラクレナイ。そして、ファンディーナも初時計が8月27日で急仕上げ気味だ。能力は一番と思えるだけに、レース週までチェックはいるが。

 主力クラスに隙があるなら、今年も上がり馬にチャンスがある。最も魅力的なのがミリッサだ。昨年のオークス馬シンハライトの半妹で、春はチューリップ賞4着で桜花賞の権利取りに失敗したが、成長を促す意味ではクラシックに出なかったのがプラスに働いた。復帰した5月京都の条件戦を勝ち、7月中京の1000万特別を古馬相手にレコード勝ち。一気に頭角を現してきた。デビュー時から瞬発力が売りだったが、この2戦では末脚に磨きがかかっていた。フットワークもデビュー時より全身が使えていて、実にバネの効いた走りに変化しているのだ。決め手がついてきた訳である。

 仕上がりもいい。前走後の初時計は8月23日の坂路。4F55秒4で追われ、1週後にも56秒3。下地ができあがり、この分なら1週前追い切りで好タイムも出るか。秋華賞へ新たな有力馬が生まれそうだ。

■菊花賞TRセントライト記念はアルアイン

 中山のセントライト記念は池江コンビが主役だ。サトノクロニクルも有力だが、仕上げが進んでいるのはアルアイン。2週前追い切りでは7Fを追えるほど順調だ。馬体も迫力を加えている。鞍上ルメールで皐月賞馬が勝って本番へ向かう。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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