朝ドラ『わろてんか』広瀬アリスの“リリコ様”が悪女なのに大人気!?の画像
朝ドラ『わろてんか』広瀬アリスの“リリコ様”が悪女なのに大人気!?の画像

 NHKの連続テレビ小説『わろてんか』も3週目に入り、いよいよ、てん(葵わかな/19)の恋が本格的に動き出してきた。松坂桃李(29)が演じる藤吉と恋に落ちるということは最初から明かされていたが、その予備知識があったとしても、この二人の恋はなかなかどうして面白い。うまくいきそうでうまくいかない、歯がゆい恋愛模様を、親戚のおじさん、おばさん気分で眺められるのが、やはり朝ドラの魅力だなと、ここのところの放送で実感している。

 10月18日の放送も見ていて恥ずかしくなるような、素敵な回だった。振り返ってみよう。

 芸人のキース(大野拓朗/28)が見世物小屋で金儲けをしようとしたのを発端に、若者たちに絡まれケガを負った藤吉。偶然居合わせたてんは、ケガの介抱をすべく、藤岡家の蔵の中に二人をかくまうことになった。風太(濱田岳/29)たちの協力もあって、藤吉たちはなんとか蔵に身を隠し続けた。

 てんも、それまで籐吉から送られてきた手紙が嘘だったと知って怒っていたが、藤吉を看病するうちに、再び想いが熱を帯びる。そんなとき、姿を消した藤吉を探していたリリコ(広瀬アリス/22)に会い、彼女がいかに藤吉(松坂)を慕い、愛してきたかを知らされる。そしてリリコはついに藤岡家に押しかけて、藤吉の存在がバレてしまうのだった。

■広瀬アリスの“リリコ様”がネット上で大人気!?

 てんのけなげさに心打たれる回だったが、何よりインパクトを残したのはリリコだろう。幼い頃からの藤吉への想いを語り、てんに詰め寄る演技はなかなかの迫力で、見ているこちらもドキドキさせられた。朝ドラというより、昔の昼ドラを見ているような、なまめかしさもあったけれど、恋敵であるリリコに、ネット上では絶賛の声が飛んでいる。「リリコ様かっこいい!」「リリコ、ハマリ役じゃない!?」と、完全な悪女役なのに、リリコ応援派が少なくないのだ。

 広瀬すず(19)の姉である広瀬アリスは、まだ22歳という若さながら、モデル業をやりつつも、すでに10年近く映画やドラマに出演している。これまで女優として本格的にブレイクしていないが、今回のこのリリコ役は、彼女をトップ女優の地位に運んでくれるのではないかと思う。

 2014年公開の映画『銀の匙』のヒロイン役、昨年公開の主演映画『L-エル-』など、これまでは彼女の可憐(かれん)さを強調する役が多かったが、リリコのようなドギツイ演技ができるのだから、今後は悪女役の需要が高まるに違いない。とはいえ、このリリコがただの悪い人に終わらないのが朝ドラらしい。てんもけなげだが、苦労が続く中で、籐吉への変わらぬ想いを抱き続けてきたリリコも、またけなげだ。この裏ヒロインともいえるポジションを、見事にこなせているのは、広瀬の演技力とそのキャラクターのおかげだろう。

 これからの彼女が、女優として活躍していくうえで、今回の“リリコ役”が、分岐点になるのは間違いない。今後も悪女のまま押し通すのか、それとも清純な広瀬アリスの姿も拝めるのか、リリコ様から目が離せない。

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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