「近代メジャーリーグ初の黒人選手」と呼ばれるジャッキー・ロビンソンの功績を偲び、デビューから50年目を迎えた97年4月15日、全ての球団で彼が背負っていた「42」が永久欠番に指定された。09年以降、毎年この日は全ての球団の選手のみならず監督、コーチ、審判までもが「42」をつけてグラウンドに出るようになった。

■「近代メジャーリーグ初の黒人選手」の契約書には…

 ロビンソンのMLB昇格に尽力したのがドジャースのブランチ・リッキー会長だ。ロビンソンと交わした契約書には「どんな差別にも文句を言わないこと」という一文が含まれていた。チーム内にも明らさまにロビンソンを差別する者はいた。摩擦を避けるため宿泊するホテルや食事、トイレは白人選手と分けられていた。47年、ルーキーとして151試合に出場した彼は、打率2割9分7厘、12本塁打、48打点、29盗塁の好成績で、チームの優勝に貢献するとともに、ナ・リーグの初代新人王に輝いた。MLBの新人王が「ジャッキー・ロビンソン賞」と呼ばれるのは、そのためである。日本人では、95年に野茂英雄が、初めてこの賞を受賞した。

■ツイッターで人間の器量の違いを見せつけたダルビッシュ

 ワールドシリーズでアストロズのユリエスキ・グリエルがドジャースのダルビッシュ有に対し、指で目を細くするポーズを取ったことが動画で確認され、MLBは「人種差別問題」として調査に乗り出した。アジア人蔑視の典型的な仕草だ。

 これに対し、ダルビッシュは自らのツイッターで「彼を非難するより学ぶ努力をすべきだ」と発信し、人間としての器量の違いを見せつけた。しばらくしてMLBはグリエルに来季開幕から5試合の出場停止処分を課すことを発表した。ワールドシリーズ中の出場停止が避けられたのは、ひとつにダルビッシュの“神対応”があったためだと見られている。

 いずれにしてもグリエルは今すぐロビンソンの自伝を読むなり映画を観た方がいい。2度目は、この程度の処分ではすまされないだろう。

本日の新着記事を読む