夫が単身赴任!典型的なトラブルと、知っておきたい対処法

 会社員の宿命とも言えるのが”転勤”ではないだろうか? 少し前までは大黒柱である父親に付き従う形で全国各地を一家全員で転々とする”転勤族”の家族は多かった。しかし最近では子どもの学業などを優先するために、夫だけが転勤先に行って暮らす”単身赴任”というスタイルを選ぶ家族が増えてきている。そこで今回は、夫が単身赴任する際に起こりやすい典型的なトラブルと、トラブルを避けるために知っておきたい対処法を調べてまとめてみた。

■会社が従業員を転勤させる理由

 欧米諸国ではほとんどないと言われている”転勤”が、日本企業において一般的なのは一体なぜなのだろうか? まずは会社が従業員を転勤させる理由を見てみよう。

●能力開発や、後進の育成、人事面の活性化

 転勤にはそれなりの費用が生じるため、従業員を育てる、会社を育てるといった前向きな理由で行われることが多い。転勤先の各地でさまざまな経験を積ませることで、幅広い能力や視野をもった人材を育成することができる。また終身雇用制度を採用している会社では、それほど人材の入れ代わりがないためマンネリ化が起こりやすい。転勤によって社員を流動化させることで、人事面の活性化を図ろうとする意図もある。

●慢心の防止、取引先との不正防止

 終身雇用制度は従業員にとっては腰を落ち着けて安心して働けるシステムである。しかしその一方で、安心感が慢心につながって業務に支障をきたしたり、長期間に渡ってメンバーが固定されることで、特定業者との取引における癒着など不正が発生しやすくなるというデメリットもある。

●活躍が認められた

 活躍が認められた結果、昇進や栄転で転勤することもある。事業部や支店の従業員が、より大規模で重要度の高い勤務場所に配置されるパターンなどが、これに当たる。

●左遷

 仕事でミスを犯した従業員を懲罰する意味合いで転勤させることもある。ときには転勤に関わる諸経費を全額自己負担にし、精神的にも金銭的にも追い詰めるケースさえ見られる。

●転勤を拒否するとどうなる?

 転勤命令を受けた従業員は、基本的に拒否できない。会社にしてみれば転勤には業務上の必要性と根拠があり、雇用契約や就業規則などによって広範な人事権が認められているからだ。そのため「通常甘受すべき不利益」しかないのに転勤を断ると、業務命令違反になり、懲戒解雇や自己都合での退職をうながされることもある。転勤命令を拒否することができるのは、下記のような従業員だけである。

・最初から勤務地や職種を限定して採用された

・転勤命令に業務の必要性や根拠が見られず、明らかな嫌がらせである

・病気の子どもの育児や高齢の親の介護など「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」と認められるやむを得ない事情がある

■単身赴任が決まったら、備えるべき事柄

 転勤の決定から単身赴任の選択、実際に赴任して勤務が始まるまでを時系列で追ってみよう。予想以上の慌ただしさにビックリしないでほしい。

1)転勤命令

 転勤命令は1か月前に内々に伝えられ、2週間前に正式に出されることが多い。いずれにしても時間がないことに変わりはない。家族と離れて単身赴任になる場合は精神的なショックも大きいかもしれないが、とりあえず頭を切り替えて一刻も早く準備に取りかかろう。

2)住居の手配

 まず確実に確保したいのが住む場所である。赴任先が都市部なのか郊外なのか、会社で探して手配してくれるのか、寮があるのか、会社から家賃補助を貰えるのかなど、さまざまな規定や状況に応じて住める場所が変わってくる。転勤の場合、自分の好きな場所を自由に選べるわけではないので、早めに会社に確認しておこう。特に自分で住居を探して手配しなければならないケースでは、時間的な余裕がない。早々に家賃の予算を決めて物件探しをスタートしよう。その際は便利な単身赴任者専用の物件なども視野に入れてみるといいだろう。

3)引っ越し準備

 住居の手配が済んだら、さっそく引っ越し準備に入ろう。荷造りして持って行くべきものは部屋の広さや間取り、レイアウトなどによっても変わってくる。海外の僻地への赴任でもないかぎり、大抵のものは現地調達が可能なため、荷物の持ち過ぎは避けたいところだ。

●これだけあれば大丈夫!? 単身赴任者向け超最低限の引っ越し荷物チェックリスト

【家電】

  • □PC:テレビ代わりにもなる
  • □電子レンジ:スーパーのお弁当などは温めて食べたい
  • □なべ:お湯を沸かすためのやかん代わりにもなる
  • □照明器具:さすがに真っ暗だと困る

【家具】

□寝具一式:ちゃんと睡眠を取るために

【日用品】

  • □3日分の仕事着(下着・シャツ・スーツなど):とりあえず3日分あれば、何とかなる
  • □基本的な洗面道具(シャンプー・石鹸・歯ぶらし・ひげそりなど):新天地に備えるため、身だしなみは大切だ
  • □タオル:大は小を兼ねるので、体も拭ける大きめのバスタオルがおすすめ
  • □トイレットペーパー:ないと確実に深刻な状況になる。ティッシュ代わりにもなる

 洗濯・掃除用品や冷蔵庫などは、引っ越し初日からなくてもどうにかなるが、なるべく早い段階でそろえたい。久しぶりの一人暮らしになる人は、自分好みの生活用品をそろえれば、少しは単身赴任の寂しさを紛らわすことができるかも!?

4)引っ越し

 シーズンにもよるが、単身パックなど格安プランを用意している業者もある。上手に利用できれば一般的な引っ越しと比べて格段に安くすませられるため、余裕があればぜひ検討してほしい。

 引っ越し当日は電気・水道・ガスなど基本的なライフラインの手続きが待っている。特に電気と水道は使えないと本当に困ってしまうため、忘れずに手続きしたい。またインターネット環境も準備しないと、せっかくPCを持って行ってもネットを使えないので要注意だ。

5)赴任

 引っ越しが完了したら、すぐに赴任先での仕事が始まるだろう。最初は何かと慌ただしい日々が続くだろうが、落ち着いたら住所変更に伴う各種の手続きもやってしまおう。手続きが必要なものには、転出&転入届・郵便物の転送・運転免許証・クレジットカードなどがある。住民票については住民税の納付先などが変わってくるため少し悩むところだが、1年程度なら移さなくてもいいかもしれない。

 また、単身赴任者の平均的な生活費は1か月当たり5万円という調査結果が出ている。家族の生活拠点が2つに分かれ、二重生活を送ることになるため、たとえ会社からの援助があったとしても、今まで以上に家計のやりくりはきちんと考えよう。

■単身赴任者に喜ばれる、プレゼントとは?

 単身赴任で一人暮らしをする同僚や上司に贈るなら、ぜひとも実用的なプレゼントがいい。生活をサポートするアイテムや、心機一転して仕事を頑張ろうと思えるグッズが喜ばれるだろう。

●家電

・電気ケトル:簡単にお湯が沸かせるため1つあると便利。電気だから火事の心配もない

・置き時計:コンパクトな置き時計なら様々な場所で使えるため何個あっても困らない。寝室用の目覚まし時計、浴室用の防水時計などは重宝する

・マッサージ器:最近は場所をとらないハンディーサイズのマッサージ器が増えてきている。疲れた体を手軽にメンテナンスしてもらおう

●生活雑貨

・タオル:何枚あっても無駄にならない消耗品。単身赴任者にはぴったりのアイテム

・靴下:こちらも何枚あっても無駄にならない消耗品。シーンを選ばない無難な黒い無地の靴下がおすすめ

・観葉植物:水をあげたり、話しかけたりして世話すれば、一人暮らしの寂しさを癒すことができる

●ビジネス用品

・名刺入れ:赴任先では新しい仕事仲間や取引先と名刺交換する機会が増えるため実用的

・高級文房具:自分では買わないであろう高級な文房具は仕事でもプライベートでも活躍する

■単身赴任のデメリット

 妻にとって、夫を1人で送り出す単身赴任にはメリットもある。まさに”亭主元気で留守がいい”を体験できるのだ。しかし当然のことながらデメリットも発生する。夫の単身赴任中に起こりやすいトラブルには、どんなものがあるのだろうか?

●健康面の悪化

 単身赴任中の夫には精神的にも身体的にも負担がかかるため、健康面が悪化することが多い。新しい仕事でのストレスに加えて、家族がいない寂しさから飲酒や喫煙の量が増える。また家事にまで手が回らず、手っ取り早いコンビニ弁当やインスタント食品、冷凍食品などを食べ続けると栄養バランスを崩す可能性が高い。

●子育てに関するトラブル

 父親と一緒に過ごす時間が多かった子どもほど、トラブルを抱えてしまうことがある。たとえば0歳から3歳ぐらいの幼い子どもは、父親の単身赴任による不在で情緒不安定になりやすい。また思春期の子どもは父親の不在で精神的な距離感を感じてしまい、反抗的になったりグレることがある。夫が単身赴任中の家庭では、総じて子育てが難しくなる傾向にあるのだ。

■ポイント解説:単身赴任は、保育園入園の加点ポイントになる!?

 子どもが希望する保育園に通えるかどうかは、世帯状況に応じてつけられた点数が高い順番に決まっていく。加点の基準は自治体によって変わるが、「父親が単身赴任」の場合は、「両親がフルタイムで働いている」や「ひとり親家庭である」などと同様に加点対象になり、保育園入園に有利に働くことが多い。

■単身赴任の夫には「浮気」に注意

 浮気願望がまったくなかった夫でも、単身赴任中は浮気に走りやすいと言われている。家族がいることによる物理的な制約がまったくなくなり、仕事以外の時間は好きなように謳歌できるようになるため、独身者の生活と何ら変わらなくなるからだ。転勤先がしがらみのない新天地の場合、期間限定の現地妻を作るにはうってつけの環境になることも原因の一つだろう。

●見分け方

 単身赴任中の夫が浮気しているかどうか、簡単に見分ける方法を紹介する。夫が自宅に戻って来たときに、ぜひチェックしてみてほしい。

□服装がオシャレになっている

 見たこともないオシャレな洋服を着て帰って来たら浮気を疑ってもいい。好きな女性ができて気を遣うようになったのかもしれないし、すでに浮気相手がいてマメマメしく夫の服装を見繕っているのだろう。

□肌ツヤが良くなっている

 単身赴任中は普通なら食生活が乱れて不健康になりがちだ。それなのに肌ツヤが良いということは、手料理を食べさせてくれる女性ができた可能性が高い。

□携帯を手放さない

 家族の家に帰ってきても、携帯やスマホを手放さなくなったら、かなり怪しい。よほど見られてはマズい連絡が来るのだろう。

□そっけなくなる

 態度がよそよそしくなり、目を合わせなくなるのは、決して離れて住んでいるからではない。何かやましいことがあるか、気持ちまで離れてしまったせいである。

●対処法

 夫は仕事のために単身赴任をする。「浮気が心配だから」という理由で転勤を拒否できるわけにも、「浮気したから」という理由で途中で連れ帰るわけにもいかない。妻としては離れて暮らす夫を、上手に遠隔操作するしかない。

□夫の小遣いを把握する

 男が浮気をするには、ある程度のお金が必要だ。夫が自由に使えるお金を把握して、クレジットカードの明細や銀行口座の出入金を確認するだけでもだいぶ変わるだろう。

□定期的に荷物を送る

 夫に家族の存在を思い出させるために、定期的に荷物を送るのは効果的だ。中身は生活用品や健康を気遣う薬、子どもの手紙や写真などがおすすめだ。

■単身赴任先にアポなし訪問するのはNG!

 浮気を疑うあまり、事前連絡せずに夫の単身赴任先に突撃してみようと思う妻もいるかもしれない。アポなし訪問なら抜き打ちチェックができるため、決定的な証拠が見つかる可能性も高い。しかし、クロだった場合には夫に言い訳の余地を与えず追い込んでしまうことになり、シロだった場合は「俺を信用していないのか!」となる可能性が高い。この対処法は、絶対におすすめできない。

■離婚を防ぐために実践すべきこと

 残念ながら、夫の単身赴任がきっかけで夫婦が離婚に至ってしまうケースは、そう珍しいことではない。離婚を防ぐために夫婦で対策を実践するべきなのだ。

●連絡を取り合う

 離れて生活しているからこそ、きちんと意識してコミュニケーションを取る必要がある。「おはよう」「おやすみ」のメッセージを送り合う、3日に1回は電話で5分話すなど、タイミングや回数を決めて習慣化してしまうのがおすすめだ。最近はLINEやSkypeなどを使って気軽にテレビ通話も楽しめる。触れることはできなくても、定期的に声を聞いたり、顔や表情を見る機会を作れば、夫婦や家族の距離感がそれほど離れてしまうことはない。

●お互いの自立を前向きに捉える

 夫婦でも離れて生活するなら、お互いがそれなりに自立しなければ生きていけない。そのため、パートナーが新しい趣味や習慣を持って、自分が知らない世界を広げていったからといって、疑心暗鬼になって嫉妬したり干渉し過ぎるのも考えものだ。寂しい気持ちや不安を感じたときこそ、「もっと自分のことを考えてほしい」などと相手を責めたりせず、思いやりの気持ちを持って「仕事がうまくいくよう祈ってる」といった前向きな言葉をかけ合いたい。

●子どもの教育問題を無視しない

 家族の存在を感じられないと、悪意がなくてもお互いに無関心になってしまうことがある。たとえ参加できなくても行事やスケジュールなどを共有して、家族としての一体感を失わないようにしたい。夫の単身赴任中は子育てのトラブルが起こりやすいため、特に子どもの教育問題などは積極的に把握していこう。

●なるべくマメに会って家族で過ごす時間を作る

 単身赴任先にもよるが、やはり家族が直接会って一緒に過ごす時間は何物にも代えがたい。夫が定期的に家に帰れる時間とお金はしっかり確保しておこう。夫が時間を作れないときは、妻や子どもの方から会いに行くのもアリだろう。

■まとめ

 単身赴任中の夫は、一人暮らしをしてまで家族のために一生懸命働く。夫が単身赴任中の妻は家事や育児をすべて引き受けて家庭を守っている。お互いに「おつかれさま」と「ありがとう」という感謝と思いやりの気持ちを忘れないように日々を過ごしたいものだ。単身赴任がきっかけでお互いの大切さやありがたみを実感することができれば、家族の絆はより深まり、夫婦関係は新婚時代のような新鮮さを取り戻せるかも!?

本日の新着記事を読む