『わろてんか』、鈴木京香の再登場が予想される理由とは?の画像
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 葵わかな(19)がヒロインのてんを演じる、NHKの連続テレビ小説『わろてんか』が、始まってからまだ2か月というのに、物語が大きく動いた。てんの姑(しゅうとめ)として存在感を放ってきた啄子(鈴木京香/49)が、なんとアメリカに旅立ってしまったのだ。

 驚きの展開を見せたのは、11月25日の放送回だ。風鳥亭が開業1周年を迎え、夫婦であいさつのため舞台に上がったてん夫妻。藤吉(松坂桃李/29)は笑いについての熱い想いを語る一方、客席には儀兵衛(遠藤憲一/56)の遺影を持つ、しず(鈴木保奈美/51)の姿があった。終演後、啄子はてんのこれまでの仕事を讃え、「免許皆伝や」と、てんが寄席の“ごりょんさん”になったことを認める。そしてついに藤吉との結婚も許した。結婚式の場で幸せを噛みしめる二人だったが、啄子はアメリカに行くことを告げ、家を出ることになった。

 啄子は物語の序盤で最も存在感を放っていた登場人物だろう。そもそも朝ドラファンにとってはNHK大阪が制作する朝ドラの姑役は、注目しないわけにはいかない大役だ。2014年下半期の『マッサン』では、泉ピン子(70)がヒロインのシャーロット・ケイト・フォックス(32)に冷たく当たり、『あさが来た』では萬田久子(59)がヒロインの姉を演じる宮崎あおい(32)をいじめ倒した。

 ヒロインと姑の対立は、物語を動かす原動力となってきたのだ。『わろてんか』でも“ごりょんさん”こと啄子が物語を動かしていた。米屋時代から風鳥亭が成功するまで、ヒロインのてんに、執拗(しつよう)なまでに冷たく当たっていたが、ここ数週間は優しいお義母さんとして柔らかい視線を送ることも多くなり、このギャップにグッと来た人も多いだろう。

■視聴者の声で朝ドラの展開は変わる!?

 実は鈴木京香も、朝ドラでブレイクした女優の一人だ。1991年に放送された『君の名は』でヒロインを務め全国区の人気を得た。以後、映画やドラマで活躍し、昨年の大河ドラマ『真田丸』で北政所役を演じたように、三谷幸喜(56)が脚本を担当する作品の欠かせないキャストとしても知られる演技派だ。これだけのビッグネームがわずか2か月で朝ドラから離れてしまうことは、本当に残念。しかし、啄子ファンにはまだまだ希望があるのだ。

 吉本せいをヒロインのモデルとした本作には、啄子のモデルもいるのだが、この吉本ユキという人物については細かい記録が残っておらず、謎多き女性なのだ。ということは今後、啄子が再登場という可能性も大いにありうる。また、「アメリカに行く」という展開も、よく考えると突飛すぎる。遠い地へ旅立たせることで、啄子の再登場はありえないと、あえて視聴者に思わせる企てなのではないだろうか。

 朝ドラは長期にわたって撮影が行われるので、視聴者の声にも敏感だという。啄子の再登場を願う視聴者の声が高まれば、ひょっこりと顔を出してくれるかもしれない。まだまだ頼りない、てん夫妻をピシャッと叱咤(しった)激励する姿を、また見たいものだ。(半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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